「えっ、聞いてないよ」突然の指名でも“上手なスピーチ”ができる人の秘密
そうすると、自己紹介もしなくてすみます。一緒に参加した人どうしでお互いに紹介しあえば良いからです。自分のことは言いにくくても、他人のことだと話しやすいですからね。 また、営業的にも効果があります。 自分の仕事のことを自分で語っても、あまり興味を持ってもらえないのですが、なぜか別の人間が「この人こんなお仕事をしているんですよ」と言うと、とたんに興味を持たれやすくなるのです。 ですので、仕事の出会いも兼ねて交流会に参加する場合は、一緒に参加する人と、事前にお互いのアピールポイントを共有しておくのがいいでしょう。 ● 好印象を持たれる人が 絶対にやっていること 積極的に話さなくても好印象を獲得する方法があります。 それは、相手の話を聞くことです。 人は話を聞いてもらえると、 「わかってくれている!」 「この人は認めてくれる!」 と感じて、承認欲求が満たされるからです。 ですので、自分が一生懸命に話すよりも、相手の話を聞くほうが好感度が上がるわけです。 私が若手社員の時代はこれを知らずに困っていました。 当時、私は技術の人間でしたが、営業のサポートのため客先に同行し、何を話して良いかわからずに頭が真っ白になっていたのです。 私は、とにかく用意した説明をひたすら話すことに専念しました。ですが、お客様はつまらなそうにしています。私は冷や汗をかきながら、説明を早く終わらせることしかできませんでした。 「客先で、いったい何を話せばいいんだろう?」 と、私は常に疑問を持っていましたが、この問いが間違っていたのです。 話すのではなく、聞けば良かったのです。 それに気づいてから、客先に行く時の不安もなくなりました。 「何かお困りですか?」「具体的にどんな課題がありますか?」と、質問をして、お客様の持っている疑問に回答するだけで会話ができるようになりました。
今井 孝