なぜRIZINは炎上系YouTuberシバターの参戦を決めたのか…気になる対戦相手「X」は一体誰なのか?
大晦日に開催される総合格闘技イベント「RIZIN.26」(さいたまスーパーアリーナ)に実験的な異色カードが組まれた。炎上系YouTuberであるシバター(35、本名・齋藤光)の参戦だ。シバターは総合格闘技経験がありプロレスラーとしても活躍しているが、多くのファイターが憧れるRIZINのリングに上がるには程遠いアマチュアレベルの実力。それでもRIZINが抜擢したのは、世界の格闘技界のトレンドでもある“数字”の取れる話題性。大晦日の視聴率戦争を勝ち抜き、そして格闘技人気の底辺拡大のため登録者数約111万人を誇るシバターの参戦を決めたが、すでにRIZIN側の狙い通りSNSやYouTubeで“炎上軍”の集結や“レジェンド”五味隆典と異色マッチを戦う皇治に難癖をつけるなど話題作りを行っている。現在の注目は「X」とされている対戦相手。当日の入場時まで伏せられサプライズ発表されることになっているが、一体「X」とは誰なのか。レジェンド格闘家説、女性ファイター説、タレント説など様々な噂が飛び交う。筆者はその名前をキャッチしたのだが…。
視聴率と底辺拡大狙いの実験的異色カード
RIZINが大晦日ならではの異色カードを仕掛けた。炎上系YouTuberとして約111万人の公式チャンネル登録者を持つシバターを突如、第3試合に組み込んだのである。RIZINのエース的存在である“神童”那須川天心でさえ公式YouTubeの登録者数は約52万人で「100万人いきたい」としている目標の数字を軽くクリアしているのだから、いかにその数字が凄いかがわかる。朝倉未来の約164万人には届かないが、格闘家絡みではトップYouTuberの一人だ。 RIZINが彼を抜擢した理由は単純明快。大晦日の視聴率戦争を勝ち抜き、格闘技の人気拡大につなげるための実験的カードである。朝倉海対堀口恭司というゴリゴリの勝負論のあるカードをメインにしているが、榊原信行CEOが「全試合勝負論では視聴者が疲れる」と語っている通り、普段、格闘技に興味のない視聴者層を引き込むには、格闘技ファンからの批判的な声が飛ぼうと話題性のあるカードが必要になる。そこで48歳でプロ野球復帰を目指していた新庄剛志氏の参戦なども模索していたわけだが、実現できずシバターに白羽の矢が立った。 実は榊原CEOはYouTuberの抜擢を暗にほのめかしていた。 「しっかりとした数字を取りたい。“ガキ使”が民放1位で、その下の馬群に消えるような数字に甘んじたくない。たとえ0コンマ何パーセントでも数字(視聴率)を上乗せできるようなチャレンジをしたいので、あらゆる話題を積み上げたい。今米国で何が起きているのかというとYouTuberのローガン・ポールとメイウェザーの試合が決まり、ジェイク・ポールの試合がマイク・タイソンの試合のアンダーカードに組まれ爆発的なPPV(有料テレビ放送)の売り上げを上げているということ。格闘技界の生態系が変わる。必ずしもトップアスリートに上りつめた人たちの凄い試合やタイトルマッチに数字があるわけじゃなくて、2000万人もフォロワーを持った朝倉未来の“化け物版”みたいな人たちが格闘技というカテゴリーの中で戦うことで爆発的な売り上げを上げるというマーケットが生まれてしまった。そういう中で僕らもモノの作り方とか考え方とかを変えなくてはいけない」