空自KC-46A、米国で長距離洋上航法訓練
航空自衛隊は12月5日、空中給油・輸送機KC-46Aの国外運航訓練を実施すると発表した。9日から14日までで、長距離洋上航法訓練を予定しており、国際平和協力活動などの任務に対応できる態勢を確立する。 【画像】KC-46Aのグラスコックピット 参加部隊は、美保基地の第3輸送航空隊に所属するKC-46Aが1機で、隊員約10人を派遣。米ニュージャージー州のマクガイア空軍基地、カンザス州のマッコーネル空軍基地へ向かう。 KC-46Aは、日本が4機導入したKC-767の米軍仕様「KC-767 Advanced Tanker(KC-767AT)」を発展させたもの。767-200ERの胴体、767-300F貨物機の主翼・着陸装置・貨物用ドア・床、767-400ERのコックピットとフラップを組み合わせ、コックピットのディスプレイは787と同様15インチのものを装備した。 給油方式は、米空軍機が採用するフライングブーム方式のほか、米海軍・海兵隊機のプローブ・アンド・ドローグ方式の2形式に対応。ブームはフライ・バイ・ワイヤ方式の最新型で、給油オペレーター席には24インチの高解像度3Dディスプレイが設置された。また、前部胴体上部には自らブーム方式で給油を受けられる給油口を備える。 ボーイングはKC-46Aを最大250機製造する計画で、日本は6機発注済み。今年9月には、米国政府が最大9機のKC-46AをFMS(対外有償軍事援助)により日本へ売却することを承認したことから、空自のKC-46Aは最大15機になる。KC-46Aの前身となるKC-767は、2010年度から4機運用しており、空自の空中給油機は2機種合わせて最大19機となる見通し。
Tadayuki YOSHIKAWA