韓国軍、南北境界で訓練再開へ 軍事合意の全面停止決定
【ソウル共同】韓国政府は4日の閣議で、南北首脳が緊張緩和を図るため2018年に締結した軍事合意の効力の全面停止を決めた。ごみをぶら下げた大量の大型風船が北朝鮮から飛来したことなどへの対抗措置。軍事合意では境界付近での「一切の敵対行為」禁止が定められていたが、韓国軍関係者は4日、砲撃などの軍事訓練を再開する方針だと明らかにした。 国防省は期間について、4日午後3時(日本時間同)から「南北間の相互信頼が回復するまで」と発表。同省関係者によると、拡声器による対北朝鮮宣伝放送も「北朝鮮の状況に応じて実行する」。放送は北朝鮮の住民や兵士らに韓国側の優位性を宣伝する心理戦の一環で、過去にはK―POPなども流された。 国防省は「国民を保護するため、軍事活動に制約を受けないよう全面効力停止を決めた」と説明した。 韓国最大野党の幹部は4日「ごみ風船は当然批判しなければいけない」としながらも、合意の全面停止などは「問題を解決せず、朝鮮半島の緊張を高める」と尹錫悦政権を非難した。