ウクライナ軍に投降の代わりに自殺する派兵北朝鮮軍…生け捕り防ごうと味方同士で処刑も
米ホワイトハウスがロシアに派兵された北朝鮮軍がウクライナを相手に人海戦術を展開し、約1週間で1000人を超える死傷者が発生したと明らかにした中で、一部兵士が捕虜になる代わりに自ら命を絶ったという事例があるとも言及した。 カービー米大統領補佐官は27日の会見で、「北朝鮮兵はウクライナ軍に投降するより自ら命を絶ったという報告がある」と話した。その上で「捕われた場合に北朝鮮にいる家族に対する報復を恐れた可能性が高い」と付け加えた。 実際に1000人を超える死傷者が発生したが、捕虜として捕まった北朝鮮兵はほとんどいない。ウクライナ特殊部隊が26日にロシアのクルスク地域で北朝鮮兵1人を捕らえたが、負傷が悪化して死亡したという。 カービー補佐官は「プーチン大統領がロシア領土を防衛するために外国軍動員を決めたことに大きな懸念があり、この数十年間起きなかったことだ。われわれはこれを彼がクルスクと周辺でウクライナに対抗するためにかなり広い戦線に兵力を分散しようとする中で起きた切迫さのシグナルだと信じる」とした。 続けて「現在われわれは北朝鮮軍がクルスクのウクライナ陣地に対する大規模攻撃を敢行していると評価する。こうした人海戦術はそれほど効果的でなかった」と説明した。 彼は「実際に北朝鮮軍はこれにより大規模な死傷者を出したものと評価するが、特に現在までの1週間に最前線の戦闘で1000人以上が死んだり負傷したりしたと推定している」と予想した。 その上で「ロシアと北朝鮮の軍事指導者がこれら兵力を消耗品扱いしウクライナに対する希望のない攻撃を命令していることは明らかだ。北朝鮮兵は高度に洗脳され、攻撃に効果がないことが明白な状況でも攻撃を強行するとみられる」と強調した。 ◇「負傷北朝鮮兵一部生け捕り後に死亡…投降防ぐため処刑も」 ゼレンスキー大統領はこの日ソーシャルメディアに上げたビデオ演説で、「きょう北朝鮮兵数人に関する報告があった。わが軍に捕虜として捕らえられた彼らはとても深刻に負傷しており回復できなかった」と話した。 ゼレンスキー大統領はしかし、どれだけの北朝鮮兵がウクライナ軍に捕まったのか、捕虜になった後に死亡した北朝鮮兵がどれだけいるのかなど具体的な数は明らかにしなかった。 ゼレンスキー大統領は「北朝鮮軍の損失はかなり重大だ。ロシアと北朝鮮はこれら兵士の生存を保障することに何も関心がない。ロシア軍は彼らに最小限の保護措置だけ提供して戦場に追いやっている」と非難した。 ゼレンスキー大統領は北朝鮮兵の投降を防ぐための処刑もされていると主張した。 彼は「われわれが彼らを捕らえられないようあらゆる措置が取られている。さらに味方の兵士を(投降を防ごうと)処刑する場合もある」と話した。 北朝鮮に中国が影響力を行使すべきという主張も付け加えた。 一方、ウクライナ軍がロシアのクルスクで掌握した地域の半分を失い、残りも数カ月中にロシアに明け渡す恐れがあるとブルームバーグが米国当局者の話として伝えた。 ブルームバーグによると、早ければ来月にもロシア軍がクルスクで集中的な反撃に出て、ウクライナ軍はロシアに包囲されるリスクを避けクルスクから来年春ごろに退却する状況が議論されている。 クルスクは8月にウクライナ軍が進撃して一部を占領したロシア西部の都市で、ロシア軍と北朝鮮軍が奪還戦を繰り広げた。 韓米当局は北朝鮮軍がクルスクで先週だけで1000人以上の死傷者を出したとみている。