知る人ぞ知るポップアート作家、トム・ウェッセルマンがパリを席巻! 取引額の高騰なるか?
「人が持っているものを皆欲しがる」
回顧展によってがウェッセルマンの価格が上昇するか否かについては、ディーラーの間でも意見が分かれているようだ。10月10日に公開されたル・モンド紙の記事では、その可能性は低いと結論づけており、レヴィ自身も懐疑的な見解を示している。だが、回顧展に展示されている14の作品は、ウォーホル作品を熱心に集め、同アーティストの取引額に影響力をもつムグラビ家のコレクションから提供されていたことから、楽観的な考えをもつディーラーも存在する。 ムグラビ家は1980年代からアート作品をコレクションしており、ウェッセルマンの回顧展のオープニングイベントに立ち会ったアルベルト・ムグラビは、「父がアートを購入し始めたのは1986年のことです。私たち家族はいつも父を偉大なポップアーティストとして見ていました」と語り、ウェッセルマンの作品は、必ずしも同世代のポップアート作家と同等の価格になるとは限らないが、他の著名な作品と近しい金額で取引されることは確実だと自信を見せた。しかし、それには時間がかかり、より多くの露出と再評価が必要となるだろう。 「今後2年で5000万ドルで取引される可能性は低いと言っていいでしょう。とはいえ、多くの美術館で展示されることで取引額は早く高騰するでしょうし、作品もより魅力的に映るに違いありません。影響力のあるコレクターが1人でも購入すれば、それでいいのです。人々は、他の人が購入しているものを買いたくなるものですから」(翻訳:編集部)
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