楽天・茂木栄五郎 目指すはレギュラー返り咲き/切り札は俺だ!
三塁ベース上でピースサインを出して喜んでいた。6月4日の阪神戦(甲子園)。1対1で迎えた延長10回二死二塁。代打で登場したのは茂木栄五郎だった。ゲラの156キロ直球を強振し、右中間へ決勝の適時三塁打。3対1の勝利に貢献したヒーローは「ほぼほぼ阪神ファンの中で、こういうふうに自分の仕事を全うできたのはすごく価値があるのかなと思います」と充実感をにじませた。 【選手データ】茂木栄五郎 プロフィール・通算成績・試合速報 同日時点で、今季の代打成績は13打数8安打5打点で打率.615。圧倒的な成績を残せている要因の一つに、準備がある。同日の阪神戦。2023年のWBCパナマ代表右腕・ゲラの情報は、きちんと織り込みだった。「ストレートが速いって情報があった。負けないように一球ではじき返そうと思って打席に入りました」。9日の中日戦(バンテリン)では抑えのマルティネスから二塁打。1打席勝負で結果を残し続けている。 体調面も含めて、入念に準備する一方で、自分に対して重圧をかけすぎないようにも心掛けているという。「楽な気持ちで打席に入れるように、自分の不安な要素を消していってるのがいいことなのかなと」。己のすべきことだけに集中し、好結果につなげている。 今江敏晃監督も「ここ最近、代打の神様のような存在になってくれて、非常にいい仕事をしてくれてると思います」と絶賛。与えられた現在の役割を見事に遂行する仕事人だが、このまま代打要員に甘んじるつもりはない。茂木は「最終的にはレギュラーを獲ることが目標」と前を見据えた。勝負強さと巧打を武器に、必ずやレギュラーに返り咲き、チームをけん引する。 写真=BBM
週刊ベースボール