ポルシェ「911」初のハイブリッド車「カレラ GTS」の走りとはいかに?「大パワーのNAエンジンのようでいて、前期型ターボに迫る速さ!」
言われなければハイブリッドに気づかない
出発地点のホテルから峠道を超えて、目的地はマラガ郊外にある会員制サーキットとして名高いアスカリレースリゾート。全長約5.5kmの本格コースだ。ここではクーペボディの「カレラ GTS」と、「カレラ 4 GTS」を比較する。GTSには、車高を10mm下げたスポーツサスペンションと可変ダンパーシステム(PASM)、そしてこの後期型からリアアクスルステアが標準装備になっている。そしてオプションのアンチロールスタビリティシステムであるポルシェダイナミックシャシーコントロール(PDCC)は、ハイブリッドの高電圧システムに統合されており、システムの柔軟性と精度が高められている。 スポーツプラスモードでアクセルを全開にすると、一切のラグタイムがなく、7000回転まで加速していく。電動化の恩恵はアクセルレスポンスにあらわれており、アクセル操作に対してリニアに反応する。そしてPDCCをオンにしておけばロールも少なくわずかにステアリングを切り込むだけで向きが変わる。2WDと4WDとの挙動の違いはわずかで、アンダーステアの傾向もなくいずれもニュートラルに旋回する。コーナーからの立ち上がりの際には4WDではフロントタイヤを通して手のひらに力強い駆動力を感じる。 いわゆるターボラグがなく、かといってモーター音などが聞こえるわけでもない。言われなければハイブリッドに気づかないかもしれない。体感的にはまるで大パワーの自然吸気エンジンのようだった。それでいて、サーキットでは前期型ターボにも迫るような速さをみせた。単なるハイブリッドにはしないというポルシェの矜持を見た気がした。
藤野太一(FUJINO Taichi)
【関連記事】
- 【画像】初のハイブリッドを採用! ポルシェ「911 カレラ GTS」を見る(全15枚)
- ■右ハン ポルシェ「911ターボ3.6」が強気の5000万円以上! オプション満載でも高すぎた?…わずか159台生産されたうちの1台でした
- ■ ポルシェは内燃エンジンを諦めない! 最新「911カレラ」後期型をマラガで試乗…日常使いの全域で乗りやすく進化していました
- ■ ポルシェ「911ダカール」がたったの510万円!? 400ccエンジンを搭載した大人のおもちゃ「ジュニアカー」でした…再現度がハンパありません
- ■ 【40台限定】ゲンバラが手掛けた全地形対応型スーパーカー「マルシャン」はすでに完売! ポルシェ「911ダカール」より断然カッコいい!