石破首相「居座り」で国難加速、旧安倍派〝取り込み工作〟…自民党内「1分1秒でも早く辞意表明すべき」 高市氏と「四人衆」はどう動く
ところが、石破首相は総裁選でこの問題を蒸し返し、衆院解散直前には西村、高木、萩生田各氏らを含めた12人を「非公認」、松野氏ら34人に比例区の重複立候補を認めないなど、一事不再理に反する「二重処分」に踏み切った。かつての政敵・安倍元首相への凄まじい怨念を感じた。
投開票の直前には、石破執行部による「非公認」候補への2000万円支給などが報じられた。自民党は公示前256議席から65議席も減らし、191議席となった。自公与党で215議席となり、石破首相の責任ラインである過半数(233議席)を割り込んだ。
衆院選で、世耕、萩生田、西村、松野各氏は大逆風の中で激戦を制したが、高木氏は落選した。この5人は安倍派の実力者「五人衆」と称されたが、1人減らして「四人衆」となった。
ある保守系議員は「石破首相は、首相指名選挙を行う来月の特別国会で、切り捨てた旧安倍派も何とか会派に囲い込み、自身に投票させる思惑だ。自公は衆院で過半数割れしておりギリギリの戦いとなるだけに、党内は緊迫感が増していく」と指摘する。
一方、「安倍路線の継承」を打ち出す高市氏は衆院選で、「非公認」となった候補者らの応援に駆け回った。今後、保守派を代表する高市氏と「四人衆」はどう動くのか。
■首相指名石破周辺は〝造反〟警戒
ジャーナリストの鈴木哲夫氏は「四人衆にもそれぞれの思惑があり、一枚岩とはいかないだろう。高市氏も、総裁選で推薦人となった側近らが相次いで落選し、権力闘争の基盤は弱まっている。安倍元首相の系譜を受け継ぐ議員たちが、どのように結束していくかは不透明だ。一方、小林鷹之元経済安保相ら若手保守派も登場し、世代交代のうねりも生まれる。麻生太郎元首相、菅義偉副総裁、岸田前首相ら『キングメーカー』の思惑も絡み党内政局は複雑化する」と予想する。
自民党内には、「石破首相は1分1秒でも早く辞意表明すべきだ」(青山繁晴参院議員)などと、首相が衆院選惨敗の責任を取って退陣すべきだとの声がある。「石破おろし」を予告する声も聞くが、派閥解消が影響しているのか動きは鈍い。