上皇さま90歳 「平成のお言葉」を振り返る~被災者、平和、社会問題、家庭への思い【皇室 a Moment】
●2009(平成21)年 “金婚式”会見 上皇さま:「結婚50年に当たって贈るとすれば感謝状です。皇后はこの度も『努力賞がいい』としきりに言うのですが、これは今日まで続けてきた努力を嘉(よみ)しての感謝状です。本当に50年間よく努力を続けてくれました」 ●2013(平成25)年 80歳誕生日会見 上皇さま:「天皇という立場にあることは、孤独とも思えるものですが、私は結婚により、私が大切にしたいと思うものを共に大切に思ってくれる伴侶を得ました」
●2005(平成17)年 誕生日会見 (長女・黒田清子さんの結婚について)上皇さま:「(清子さんの結婚で)皇后はさぞ寂しく感じていることと思いますが、今までにも増して私のことを気遣ってくれています。ただこれまでおかしいことで3人が笑うとき、ひときわ大きく笑っていた人がいなくなったことを二人で話し合っています」
●2012(平成24)年 誕生日会見 (心臓冠動脈手術を終えて)上皇さま:「入院中、皇后は毎日病院に見舞いに来てくれ、本当に心強く、慰めになりました。病室の近くの廊下を一緒に歩く時にはいろいろな音楽をかけてくれ、自分も楽しそうに歩いていました」 ●2018(平成30)年 最後の誕生日会見 「天皇としての旅を終えようとしている今、自らも国民の一人であった皇后が、私の人生の旅に加わり、60年という長い年月、皇室と国民の双方への献身を、真心を持って果たしてきたことを、心から労(ねぎら)いたく思います」 ――ご家族への愛情や感謝の気持ちが感じられて、胸に迫るものがありますね。
上皇后さまの存在は、とてもとても大きかったと思います。上皇さまはかつて「家庭という身近なものを十分に理解して、はじめて遠いところにある国民の気持ちを理解できる」と話されています。
ご結婚のパレードは、沿道で約60万人が祝福しましたが、その日から上皇后さまの「国民への献身」が始まったと思うと、祝福の中で上皇后さまが背負われたものの“重さ”“大きさ”を思います。 ――上皇さまと共に歩まれてきた上皇后さまの存在の大きさというのを改めて感じました。