「チーム・サスエ」の魚を食べるために静岡へ。口の中に駿河湾が広がって魚の概念が変わる!
いまでは、鰯も、鯵も太刀魚も、“游がせ”に。普通ならすぐに死んでしまう弱く繊細な魚が港まで生きて来ることに、同業者も「信じられない」とショックを受けます。チーム・サスエの飲食店では、口に入る3時間前まで生きていた魚も少なくない。それは単に新鮮だからよいのではなく、生きた魚(バトン)を、漁師さん(捕獲、港までの輸送)、魚屋(仕立て)、料理人(調理)、すべてのランナーがプロフェッショナルな仕事をするからこそ、人の心を動かすバトンリレーが実現します。 「魚を変えることより、人の気持ちを変える方が難しい。なんでもそうじゃないですか。でも、漁師さんが変わってくれて、愚直な料理人が集まってくれて、それが財産なんですよ。このチームプレーに、わざわざ静岡まで来るお客さんが喜んでくれます。誰が偉いとかじゃない。みんなで作り上げるんです」 後編では、前田さんが「いいメンバーなんですよ」と誇る7人の料理人についてご紹介します。
● 大石智子(おおいし・ともこ)
出版社勤務後フリーランス・ライターとなる。男性誌を中心にホテル、飲食、インタビュー記事を執筆。ホテル&レストランリサーチのため、毎月海外に渡航。スペインと南米に行く頻度が高い。柴犬好き。Instagramでも海外情報を発信中。
文・写真/大石智子