「お笑いの努力は目に見えにくい」『27時間テレビ』100kmサバイバルマラソン出場・モシモシいけが手にしたビッグチャンス
芸人でありながらマラソンをやめない理由
やはりフルマラソン完走の達成感は、えげつないです。 これを味わうためにやっているといってもいい。 自己ベストを更新できた・できないとか関係なしに、移ろう景色を感じながら、42.195kmを自らの足で進んだというところに特別なものがあります。 思うと、僕は、達成感ジャンキーなのかもしれません。 達成感に飢えています。 学生時代から、リーダーや部長を任されることが多く、その任をまっとうしたことで抱く達成感から始まり、現在はライブで1ステージごとにウケる喜びを感じ、趣味のランニングでも、「今日も走った」という小さな達成感を日々感じています。 でも、それだとやっぱり足りなくなる。より大きなことをしないと、次の達成感は味わえない。そう思って、もっとウケたい、もっと走ろう、そういう思考になってきます。 そして、マラソンは、がんばった分だけ、結果がついてきます。 しかもそれが、はっきりとタイムで確認できます。 だけど、お笑いは違います。お笑いにおける「がんばる」とは何か、みたいな話にもなってきますが、お笑いのがんばりは、結果が目に見えにくい。 時々、芸人である自分がなんなのかよくわからなくなります。人に見られていないところでする努力が、なんのためなのかを見失いかけることがあります。 そんなときは、たくさん走ります。走ったら、タイムが上がることがわかっているから。小さな努力も積み重ねれば、結果がついてくることを知っているから。 そして、芸人として、また踏ん張れます。 家族にサバイバルマラソン出場が決まった旨を報告したとき、父親から言われました。 「好きなことがふたつ重なってよかったね」 走っているから、芸人としてがんばれる。 芸人としてがんばってきたからこそ、サバイバルマラソン出場がある。 お笑いもマラソンも、依存し合っている。 このふたつが重なった今、やめられるわけがない。
文=いけ(モシモシ)