【持続可能性に揺れる日本の農業】私たちの食生活を支える農業が抱えている理想と現実:おすすめ記事5選
4:<美しい棚田を守りたい>小ロット、物流費高騰、農家の高齢化…日本のコメづくりが抱える構造的問題(2022年6月29日)
6月中旬、新潟県十日町の星峠棚田に行ってみた。星峠棚田は、NHKで特集番組が放映されるなど、景観が美しい棚田として知られている。さまざまな保全措置が講じられ、2019年に議員立法で「棚田地域振興法」が成立したことにより、さらなる支援策が講じられており、その実態を見ようと、この棚田で生産されるコメを仕入れ販売する川崎市の成川米穀の成川亮治社長の軽トラックに同乗した。しかし、そこで見聞きしたことは日本の稲作が置かれている厳しい現実であった。 星峠棚田の現状に触れる前に棚田米を仕入販売している成川米穀の成川社長の取組みを紹介したい。その方が棚田を取り巻く環境への理解が深まるだろう。 成川米穀は創業1929年という老舗の部類に入る米穀小売店で、現社長の成川亮治さんは3代目。成川さんが棚田米を仕入販売しようと思ったきっかけは棚田の景観に惚れ込んだのが最大の理由で、棚田ネットワークの会員になり、自ら全国各地の棚田を訪れて、そこで生産されるコメを商品化しようと思い立った――。 日本の棚田が危ない!コメづくりが抱える構造的問題
5:<食料自給率の低迷はなぜ?>日本農業を正しく理解するためにデータで見る都道府県別自給率(2022年9月20日)
政府の「食料安定供給・農林水産業基盤強化本部」は、9月9日の会合で、「食料・農業・農村基本法」の見直しを決定し、おおむね1年をかけて方向性を得るとした。2024年の通常国会にも改正法案が提出されるものと予想される。 論点となるのは、ウクライナ侵攻に端を発したサプライチェーンを含む「食料安全保障の強化」と地球温暖化、カーボンニュートラル、グリーンニューデイールを組み込んだ食料・農業・農村の持続的発展であろう。 そこで、この際、基本法の改正とも関連して、正しい理解と共通認識があるようで実は無い「食料自給率」について、各都道府県と諸外国・地域の数字を比較し、今後の日本としての対応方向を明らかにしてみたい――。 日本農業が生き抜くため必要な都道府県別自給率の見方
WEDGE編集部