ペットパノムルンとの3度目の対戦に「俺は最後だと思っている」と不退転の決意で臨む原口健飛「ぼこぼこ作戦。とにかく殴り続ける」【RISE】
「GLORY 93」(7月20日、オランダ・ロッテルダ/トップスポーツセントラム)でGLORY世界フェザー級王者のペットパノムルン・キャットムーカオ(タイ)に挑戦するISKA世界ライトウェルター級王者の原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM)が6月18日、会見を行った。 原口は2021年と2022年にRISEのリングでペットパノムルンと対戦するもいずれも判定負け。今回は3度目の対戦となる。 2度目の対戦はRISE世界スーパーライト級(-65kg)王座決定戦として行われ、ペットパノムルンが王座を獲得も昨年12月のRISEで行われた初防衛戦でチャド・コリンズに判定で敗れ、王座を手放している。ペットパノムルンはそれ以来の再起戦となる。 原口はペットパノムルンとの2度目の対戦以降、4連勝。その中には元GLORY王者セルゲイ・アダムチャックからの判定勝ち、GLORY世界フェザー級1位エイブラハム・ヴィダレスからのKO勝ちも含まれている。 原口は「2回負けてからペッチとやるためにやってきた。ようやくたどり着いたという感じ。でもここまで戦ってきた相手は全員強敵でその時はその時に集中していたので、意外に早かった」などと決戦を控えた現在の心境を口にした。 ペットパノムルンの印象については「変わってない。強いと思うし。今、試合が近づくと“強いんだろうな”という気持ちも出てくるし。でもチャドに負けたりとかしているし、行けるなと思っている」と語った。 そのチャド戦については「参考になった。チャドのようにあんなに手数を出せるかは分からないが、チャドより当て勘はあると思っている。チャドは言い方は悪いが無駄なパンチが多い。僕は出したパンチは全部当てる能力は持っている。参考にはなった」とのこと。 ペットパノムルンとの過去2回の対戦については「1回目の試合の映像は結構見た。初めてあんなにボロボロにされたんで。2回目はちょっとだけ。反省点はあった。途中の2、3、4Rで印象が悪いところがあった。延長ラウンドくらい行っておけばよかった」と反省。そのうえで「今回は前回の試合とは全く違うスタイルで行く。前回やったことを一切しないくらいの感じで行こうと思っている。(ペットパノムルンが)初めてやると思うくらいの感じで行く。ファイトスタイルをガラッと変える。3回目だけど初めてやると感じるような。ぼこぼこ作戦。とにかく殴り続ける。それだけ」とこれまでのカウンターを合わせる作戦からこちらから仕掛けていく作戦に方向転換するもよう。 アウェイでの対戦については「日本よりいい。そっちのほうがいける気がする。昔から負けると言われている選手とやるのが好き。ペッチはオランダ人じゃないし、GLORYで戦っているだけ。別にそこまでペッチのホームではない。ペッチも時差はあるだろうし」などと意に介さず。 もっとも海外自体が「初めて。なんも知らんから行けると思っている(笑)」とも。となると時差など環境の変化も大きなポイントとなりそうだが「時差も行ったことがないから分からない。何も感じないという人もいるし。こんな性格なんで余裕だと思う。試合は分からないですが、環境にはすぐ慣れるタイプ。綺麗な国なら大丈夫」とこちらも意に介さず。ただ「いろいろなことを踏まえて1週間前に行きたい」と13日にはオランダ入りする予定。 GLORYについては「65kgのキックはGLORYが一番だと思う。ペッチに勝っても同じくらい強いのが下にたくさんいる。修羅の道になる」と評したうえで「歴史的勝利を持って来れるように頑張る」と語った。また「もちろん、ファンを獲得するようなスタイルをしたいが、ペッチに勝つこと自体が歴史的なので、とにかく勝てばいいかなと思う。KOは狙ってはいないが、できる技は練習している。ただ5Rをしっかり戦う」と勝利への貪欲な姿勢を見せた。 原口は15日に行われた「RISE WORLD SERIES 2024 OSAKA」のリング上での挨拶で今回の試合については「日本の総大将の気持ちで行く」などとコメント。これについては「今のキックボクシング、僕が一番リベンジに適していると思うんですよ。一番最初に戦わせてもらって、負けてはいるんですが。その中で武尊君とか野杁君とか海人君とか強い選手が負けちゃっているし。僕は一足先に強い選手を実感しているので、人より経験もある。負けたからこそ、自分しかいないのかなという気持ちが出てくるし。だから勝手に自分が総大将だと思っていると言わせてもらった。経験値があるという意味も込めて言わせてもらった」「僕も負けているから気持ちは分かる。日本でやって負けているし。俺なら勝てるとは軽はずみに言えないが。負けているんで。だからこそ今回は日本のためにも勝ちたいと思っている」などと語った。 また今回の調整方法を語る中でも「調整方法は変えてない。ファイトスタイルだけ。とにかく殴り続けるのが今回のテーマなので。あとは俺もペッチと一緒で、相手の攻撃を無視しようかと思っている。全部に反応しすぎて、攻撃に対してのカウンターだったから印象が悪かった。そうじゃなくて無視するところは無視して、自分のやりたいことをやる。やったことのないファイトスタイルをやる。できるかは分からないが、そういう気持ちで戦おうと思っている」と改めてアグレッシブに立ち向かう姿勢を見せた。そして「組まれることは間違いない」と簡単には行かないことも承知の上で「組まれながらも殴られるようにしている」と語った。 最後は「2年ぶり3回目の対戦。俺は最後だと思っている。必ずこの肩にGLORYのベルトをかけられるように頑張ってくる。マジで期待してもらっていいです」と覚悟のコメントで締めくくった。