菊花賞をアーバンシックで制したクリストフ・ルメール騎手とプレゼンターの阿部一二三＝京都競馬場（撮影・岩川晋也）

10月20日の京都11Rで行われた第85回菊花賞（3歳オープン、牡・牝、GＩ、芝・外3000メートル、馬齢、18頭立て、1着賞金＝2億円）は、クリストフ・ルメール騎手の2番人気アーバンシック（牡、美浦・武井亮厩舎）がレース序盤は中団後方を追走し、向こう正面で位置を上げ前を射程圏にとらえると、直線では末脚を炸裂（さくれつ）させ2馬身半差の完勝。皐月賞4着、日本ダービー11着と無冠に終わった春の無念を晴らし、ラスト1冠を奪取した。C・ルメール騎手は、菅原泰夫元騎手（1981・82年）以来、42年ぶり4人目の菊花賞連覇＆13日の秋華賞（チェルヴィニア）に続く2週連続JRA・GＩ制覇。タイムは3分4秒1（良）。 2馬身半差の2着には連勝中だったヘデントール（4番人気）、さらにハナ差遅れた3着に武豊騎手のアドマイヤテラ（7番人気）が入り、1番人気のダービー馬ダノンデサイルは6着に敗れた。 菊花賞を勝ったアーバンシックは、父スワーヴリチャード、母エッジースタイル、母の父ハービンジャーという血統。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬で、馬主は（有）シルクレーシング。通算成績は7戦4勝。重賞は今年のセントライト記念（GⅡ）に次いで2勝目。武井亮調教師はJRA・GＩ初勝利、C・ルメール騎手は2016年サトノダイヤモンド、18年フィエールマン、23年ドゥレッツァに次いで菊花賞4勝目。 ◆C・ルメール騎手（1着　アーバンシック）「3000メートルは長いですから、最初ゆっくりで自分のリズムを見つけなければならなかった。1周目の後、ポジションを上げていくことができました。（道中は）ずっといい感じでしたね。馬の能力をよく知っていましたので、自信を持って乗りました。途中で息が入ったし、ずっと冷静に走ってくれました。段々ペースアップしたときは『勝てる！』と思いましたね。加速してくれましたが、いつも通りアタマを上げるところがあったけどよく頑張ってくれています。ポテンシャルは高いです。特に秋から大人になりましたし、パワーアップしました。またGⅠで結果を出せると思います」 ◆武井亮調教師（同）「アーバンシックはもともとすごい能力があると思っていて、GⅠの舞台でいい結果を出せていなかったので、今回勝ち切れたということがすごくうれしいです。パドックで見てもすごくいい馬だった。調教師なのでひいき目もあると思いますが、『自分のところが一番いい馬なんじゃないか？』ぐらいに思える状態だったし、ジョッキーもレースに行く前に『ビューティフル』と言ってくれたので、期待感を持って見れました。前走も完璧に乗ってくれたので、今回もうまく乗ってくれるだろうなと思っていたけど、本当にすごいジョッキーだなと思いました。今後の話はまだオーナーとしていませんが、きょうのパフォーマンスで世代トップクラスと証明できたし、他の世代と戦っても負けないぐらいのポテンシャルがあると思う。もっと勝ちを積み重ねられるように頑張りたいです」