「順番」「毛先の当て方」「動かし方」が重要に。歯磨き指導のプロが教える、隅まで汚れを取り、磨き残しをなくす《歯の磨き方》
近年、健康寿命と口の機能の関係に注目が集まり、口腔ケアの意識が高まっています。一方で、「いつもの癖で適当に歯磨きをしている」「何年も歯科医院に行っていない」という人も多いのではないでしょうか。歯磨き指導のプロに、健康長寿に繋がる口腔ケアの心構えを聞きました(構成=浦上泰栄 イラスト=オガワユミエ) 【イラスト】歯磨きで、磨き残ししやすいところは… * * * * * * * ◆さあ、磨こう 隅まで汚れを取り、磨き残しをなくすには、「順番」「毛先の当て方」「動かし方」が重要に。これらのポイントを意識しながら磨くと、効率よく汚れを落とせます 1)歯間清掃からスタート 最初に歯の根元のすき間やブリッジの間に溜まった汚れを落としておく。歯ブラシを先に使うより歯垢の除去率が高くなり、フッ化物が歯間に残りやすくなるメリットもある。すき間が狭い人はフロス、広めの人は歯間ブラシを。1日1回は行いたい 【歯間ブラシ】 歯間の根元にある三角形のすき間にI字型のブラシをまっすぐやさしく通し、それぞれの歯面に沿わせて前後に2~3回ずつ動かす。奥歯のすき間にはL字型が使いやすい 【フロス】 歯と歯の隣接面に上からフロスを通し、根元のすき間まで下げておく。歯のカーブにフロスを沿わせ、フロスを前後にスライドさせながらゆっくり上方向に動かし、抜き取る
2)磨く順番はいつも同じ 順番を決めて歯磨きをすることで、効率よく磨き残しなくブラッシングできる。 歯の表面、裏面、咬合面(奥歯の咬み合う面)、この3つのブロックに分け、自分が磨きやすいブロックから始めてよい。 上の奥歯付近を刺激すると、殺菌作用のある唾液が出やすくなるので、上の奥歯から歯磨きをスタートし、上の表面→上の裏面→下の表面→下の裏面→咬合面へと進めるのもおすすめ
3)場所や目的に応じてブラシの当て方を変える 平らな歯の表面と、深い歯周ポケット。 形状が異なる歯と歯ぐきを1本の歯ブラシで清掃するために、正しいブラシの当て方を知っておこう 【バス法】 歯周病が気になる人は歯周ポケットを狙って。歯ブラシを45度に傾け、歯周ポケットの中に毛先を入れるイメージでブラシを動かす(バス法)。根元のむし歯予防にも効果的 【スクラッビング法】 むし歯になりやすい人は歯の表面の歯垢をしっかり落とすことが大事。表面に毛先をほぼ直角に当てて歯垢をこすり落とす(スクラッビング法)。直角に当てづらい裏側はブラシを45度に傾け、歯ぐきの端と咬合面にブラシの毛ががかるようにして動かす