海外セレブのディープフェイク被害、これからどうなる? セレブとAI技術の行方
テイラー・スウィフトがファンに鍋をプレゼントする動画が拡散されたが、ディープフェイクにより作成されたウソ動画だと判明。多くのメディアに姿を見せるセレブだからこそ、AIで作成されるコンテンツとの付き合い方は考えもの。セレブのAIによるエピソードを「エル デジタル」の人気長寿連載セレブウォッチャーPeachesがチェック!
セレブのディープフェイク被害、これからどうなる?
ディープフェイクを駆使したテイラー・スウィフトの猥褻画像がXにアップされ、Xは17時間後に映像を削除。さらに「テイラー・スウィフト」で検索できないような措置を取ったけれど、彼女がディープフェイク被害に遭ったのはこれが初めてではなかった? 肖像権の侵害では?と思われるAI技術の進化だけど、どこまで行くの?
ディープフェイクをおさらいしよう
まずディープフェイクとは何なのか? 簡単にまとめると、ディープラーニング技術(ニューラルネット・シミュレーションを膨大なデータセットに適用する機械学習の一種)を使ってある人物の肖像を別の人物の肖像に置き換えたフェイク動画のことである。人工知能(AI)は特定の顔が異なる角度でどのように見えるかを効果的に学習するので、フェイク動画の主人公が顔を動かしても、表情を変えてもスムーズに対応することが可能。しかも音声も完コピできるので、あたかも本人が話しているように見る人を錯覚させてしまうのだ。
そもそもディープフェイクという用語は、2017年にRedditユーザーが使っていたもの。彼やRedditコミュニティのメンバーたちはそれぞれが作成したディープフェイクを共有していて、大半はポルノ動画の女優の体に有名人の顔を入れ替えたものという中2病的なコミュニティだった。とはいえ、関連するコンピュータ・アプリケーションはインターネット上で公開されていていたため、コンピュータに詳しければ誰でもディープフェイクを作ることができたわけだ。よりリアルにするにはAIが学習するための映像が多数必要で、そのためセレブや公人である政治家がターゲットになりやすいのだ。