鮮やかな復活を遂げたフラハティと“未完の豪腕”コーペック――ドジャースが途中補強で獲得した2投手の「素顔」<SLUGGER>
4年ぶりのワールドシリーズ制覇へ向けて、ドジャースは夏のトレード市場で積極的に補強を施した。中でも注目に値するのが、故障者続出の投手陣に加わったジャック・フラハティとマイケル・コーペックだ。 【動画】100マイル超の剛速球で打者を圧倒! 衝撃を与えたコーペックのドジャース初登板 ■地元凱旋を喜ぶ母思いのフラハティ タリク・スクーバル(タイガース)、ギャレット・クローシェイ(ホワイトソックス)、ブレイク・スネル(ジャイアンツ)ら有力投手の名前が取り沙汰された今夏の移籍市場。結果的に彼らは動かず、結果的に新天地へ移った投手の中でNo.1の大物となったのがフラハティだ。 フラハティと言えば、チームの主戦格だったカーディナルス時代の活躍を思い浮かべるファンが多いはず。2018年に新人王投票4位、19年はサイ・ヤング賞投票4位に入るなど、とんとん拍子にキャリアの階段を駆け上がった。その後、右肩を痛めてからは成績が悪化していたが、1年1400万ドルでタイガース入りした今季は見事に蘇った。 決め球スライダーが往年の切れ味を取り戻したのに加え、制球力も一段と進化。8月14日時点)で奪三振率11.40はMLB4位、与四球率1.60は7位、奪三振と与四球の比を示すK/BB7.14は2位(いずれも100イニング以上)と完成度の高い投球が光る。 ロサンゼルス近郊のバーバンク出身。ハーバート・ウエストレイク高ではルーカス・ジオリト(レッドソックス)やマックス・フリード(ブレーブス)とチームメイトだった。同校は芸能人やハリウッド関係者などの子弟が多く通うエリート校として知られるが、フラハティは生後3週間で養子に引き取られ、シングルマザーに育てられた。 それだけに、母子の絆は人並み以上に深い。8月3日にオークランドまで駆けつけて息子の移籍後初登板初白星を見届けた母は、その6日後にはドジャー・スタジアムでのデビュー登板も観戦した。息子の幼少期から2人で通い詰めた思い出の場所で、家族や友人も多く集まり「泣き崩れそうになった」と感動を語っている。 実は、フラハティは高校時代にもドジャー・スタジアムのマウンドを踏んでいる。高校生活最後の試合ではノーヒットノーランを達成し、松井裕樹(現パドレス)、ランディ・アロザレーナ(現マリナーズ)らも参加した13年のU-18ワールドカップでは金メダルを手にした。 プレーオフにはこれまで3度出場しているが、ワールドシリーズの舞台にはまだ立っていない。見事な復活を遂げて故郷に帰ってきたフラハティにとって、この秋は最高の「ホーム・カミング」となるだろうか。
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