りんごの“ベタベタ”食べても大丈夫? 野菜ソムリエプロが解説「おいしいりんごは“おしり”に注目」
種類も豊富なりんごは、技術革新により、いまでは1年中売られていますが、本来収穫できるのは秋~冬で、この時期に旬を迎えます。栄養価が高く、加工もしやすいので、デザートとしてだけでなく、離乳食から病院食まで、幅広く利用されています。りんごの皮は、ベタベタしていることもあり食べて大丈夫か気になっている人もいるでしょう。ベタベタの正体や美味しいりんごの見分け方について、野菜ソムリエプロで管理栄養士の小島香住さんに聞きました。 【画像で解説】ヘタの状態でもわかる…美味しいりんごを見分ける3つのポイントを管理栄養士が紹介 ◆花落ちが開いて空洞になっているものは、熟して甘みがある ――美味しいりんごの見分け方について教えてください。 【小島香住さん】 りんごは、実の形や色づきだけでは、おいしさを判別しにくいフルーツです。見落としがちな、おしりの部分においしさのサインが出ていることがあるので、チェックしましょう。おしりの色がくぼみまで赤~黄に色づいているもの、花落ちが開いて空洞になっているものは、しっかり熟して甘みが乗っています。 ――りんごは1年中売られていますが、本来収穫できるのは秋~冬の間だけです。りんごは長期保存が可能とのことですが、小島さんのInstagramでは「長期貯蔵=りんごを眠らせる」ことについて言及されていました。これはどういったことなのでしょうか? 【小島香住さん】 りんごは、収穫後も呼吸をしています。その呼吸によって(酸素を使い)エネルギーを消費します。酸素などの空気中の成分、温度や湿度などを調整し、りんごの呼吸を抑えることで、長期間の貯蔵を可能にしています。 ――りんごの皮がベタベタしていることがあります。「ベタベタの正体」と「食べても大丈夫なのか」教えてください。 【小島香住さん】 りんごの皮のベタベタは「油上がり」という現象です。りんごが乾燥から身を守るために、成熟すると、オレイン酸やリノール酸などの油分を出しています。品種によって差がありますが、食べても問題のないものです。特にリノール酸は体内で合成できないため、食べ物からの摂取が必要な“必須脂肪酸”の1つです。