「現状で苦情がある訳じゃないのに…」神宮外苑の再開発保留の影でひっそりと進む「日比谷公園」再整備
「具体的な予定が公表されていないのに、ミッドタウンには公園とつながる入口ができている」
「日比谷公園再整備の計画開始は十数年も前ですが、東京都が公表していないデッキ計画を、ミッドタウンが予測して、あるいは一方的に希望してデッキの接続口をビルに設けたのでしょうか? デッキは都立公園とつながるものだから、東京都の許可がなければ造れないはずです。 これを東京都に説明してくれと言っても、都市整備局も建設局も担当者が説明できない。これはどういうことなんでしょうか? 私は『デッキの謎』と呼んでいます。担当部署の知らないところで上層部の誰かが決めたことなんでしょうか?」 三井不動産が日比谷で進めていた「(仮称)新日比谷プロジェクト」が都市計画決定したのは、’13年12月6日。ミッドタウンをはじめとする三井不動産の計画が最初にあり、それを国が都市計画に指定し、国の有力者と三井不動産のつながりに、小池知事ら東京都の上層部が加わっていったのではないかなどという憶測をめぐらしてしまうが……。 日比谷公園で「バリアフリー」の名のもとに、多くの木々が伐採され、移植をされ、「芝広場」ばかりが作られようとしている。その利用例として、公園内の掲示板には「テレワーク」「マルシェ」「ヨガ大会」「キッチンカー」「ビストロランチ」「ピクニック」などが挙げられている。 本当にこれがたくさんの木々を伐採してやるべきことなのか。愛さんは頭上に生い茂った木々を見あげ、こう語った。 「東京はヒートアイランド化が激しい都市です。これを緩和し、都市の熱を下げるには、木の力を借りるしかありません。 それには『樹冠』といって樹木の上部・枝や葉をいかに広げるかが大事であることは、世界的にもはや常識なのに、木を伐りまくっているのは日本だけですよ。 公園は都市の過酷な環境や商業主義から逃げたい人が憩う場所、静かに落ち着いてひと時を過ごせる場所なのに、それをみんな壊し、商業一色に染めてしまって本当に良いのでしょうか」 取材・文:田幸和歌子
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