「現状で苦情がある訳じゃないのに…」神宮外苑の再開発保留の影でひっそりと進む「日比谷公園」再整備
三井不動産のHPには、日比谷公園が所有物のように見えかねない説明が…
さらに「愛する会」らが疑惑を抱いているのは、日比谷公園と東京ミッドタウン日比谷、帝国ホテル本館横に建設中のビルをつなぐ2つのデッキの計画の経緯だ。 「’21年7月に東京都が『都立日比谷公園再生整備計画』を策定し、それに先立ち工事が行われたのが、公会堂と第二花壇の間にあった『にれのき広場』でした。 たった2週間で20数本のにれの木がなくなり、アスファルト面にされてしまいました。東京都は木を移植すると掲示板に書きましたが、実際に移植されたのは1本だけ。 その目的は、公会堂の耐震化工事の資材置き場にするためとのことでしたが、工事は現在も行われていません。そこは帝国ホテル本館横に建設中のセントラルタワーからのデッキの着地点なんです」 また、東京ミッドタウンの前の日比谷公園内の場所は、現在、塀に囲まれた空き地になっている。そこは、東京ミッドタウンからのデッキの着地点になるという。 「道路を管理する建設事務所に聞いたら、デッキの話はまだ来てないと言うんですね。来年か再来年に整備を始める段階になっているのに。民間がお金を出すから、情報が共有されず、勝手に進んでいるのでしょうか」 東京ミッドタウンのマネジメントを行う「東京ミッドタウンマネジメント」に100%出資する三井不動産のHPの事業内容「三井不動産の街づくり」を見ると、「緑のパノラマ空間『パークビューガーデン』」として「豊かな植栽や水景と眼下に広がる日比谷公園の雄大な緑との一体感を感じられるテラス。多種多様なイベントも開催できます」とある。日比谷公園が三井不動産の所有物のように見えかねない説明だ。 愛さんはさらに、こう推測する。 「なぜ『にれのき広場』を潰すところから工事が始まったかを考えると、帝国ホテルの横に建築中のセントラルタワーから日比谷公園に入って、東京ミッドタウンに出て行くよう、公園と商業ビルの間に人の流れを作るために、2つのブリッジをかけるわけです。 そうしたら、日比谷公園をイベント広場にしたいじゃないですか。そのために、いろいろ潰して更地にしちゃおうという話に見えるんです」 ちなみに、帝国ホテルはタワー館の敷地の35%を三井不動産に約620億円で売却することが、昨年9月26日に発表された。タワー館は今年6月末までに営業を終了し、三井不動産が一部用地を取得した上で新館を共同で建設することが発表されている。 「つまり、三井不動産が自分のビルと日比谷公園をブリッジでつないで、ビルの庭のように使おうとしているように見えます。都立公園、それも歴史的な公園が、特定の企業、特定の特権とつながるのは、明らかにおかしいじゃないですか。 そこで『いつ誰がこのデッキを計画したのか?』を調べると、東京都のプランの中に『デッキ』が登場するのが、どんなに遡っても初出が’18年の『日比谷公園グランドデザイン』という計画なんです」