中国、トランプ氏復権で財政政策さらに重要に-全人代常務委8日閉幕
多くのエコノミストは10-20%の引き上げがより現実的なシナリオだとみている。2018年から20年の貿易対立の際には、米国が関税を15%程度引き上げた。
さらに、中国はここ数年で輸出先の分散を進めて対米依存度を下げており、影響の緩和に寄与する公算が大きい。
中国の戦略や潜在的な反応がより明確になるのは、12月の共産党中央政治局会議や来年の経済運営方針を決める中央経済工作会議が開かれてからとなる可能性もある。
シティグループによれば、15%相当の追加関税なら中国経済の成長率は0.5ー1ポイント押し下げられる恐れがある。モルガン・スタンレーのエコノミストらは、米国が中国の輸出品に50%の関税を賦課した場合、その影響は1ポイント未満になると推定している。
マッコーリーの試算によると、60%の場合、そのダメージに対処するには3兆元(約64兆円)規模の刺激策が必要となり、低迷する内需を好転させるにはさらに3兆元が求められる。
トランプ氏の返り咲きで、財政パッケージが最大2兆元拡大する可能性があると見込んでいるスタンダードチャータードの丁爽エコノミストは、中国は25年の公式の財政赤字を4兆8000億元に、対国内総生産(GDP)比で3.5%に引き上げることを選択する可能性が高いと指摘。その結果、GDP成長率は0.5-1ポイント押し上げられるだろうと7日のリポートで分析した。
原題:Trump Comeback Means Reckoning for China as It Draws Up Stimulus(抜粋)
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