マスコミがほとんど報じない「維新代表選」の実態 “大阪主導”に「東京組」不満、万博も重荷に
日本維新の会の代表選が17日に告示され、12月1日の投開票に向けて、吉村洋文大阪府知事(49)、金村龍那衆院議員(45)、空本誠喜衆院議員(60)、松沢成文参院議員(66)=届け出順=の4氏が出馬し、党再生を巡る論戦を展開している。 今回代表選は、「10・27衆院選」敗北に伴う馬場伸幸代表(59)の辞任表明を受けたもので、衆院選での自公過半数割れを踏まえての「国政政党としての維新の在り方」が最大の争点となっている。
ただ、大阪維新の会代表で維新共同代表も務め、党内での支持が圧倒的とされる吉村氏の当選が確実視されるため、主要メディアは代表選をほとんど“無視”する構えで、早くも「吉村新体制」を前提に、「自公政権との距離」や「野党連携の在り方」に関する吉村氏の対応について取材を進めているのが実態だ。 そうした中、吉村氏は同党創始者の橋下徹、松井一郎両元大阪市長の後継者として、同党の中核となる「地域政党・大阪維新の会」を率いてきただけに、吉村新代表となれば「大阪主導の党運営が一段と加速する」(党幹部)との見方が少なくない。
その一方で、衆院選で枕を並べて討ち死にした音喜多駿前政調会長(41)や小野泰輔前参院議員(50)ら“東京組”は「全国規模の国政政党を目指すという基本戦略に逆行しかねない」との不満を募らせているとされ、党内には「吉村氏の対応次第で“東西対立”が激化し、党崩壊への新たな火種にもなりかねない」(同)との不安も広がる。 ■創始者・松井氏の「萩生田氏応援」が手痛い打撃に 維新は「10・27衆院選」で、大阪全19選挙区で勝利する一方、東日本の小選挙区では全滅し、比例代表で約300万票も得票を減らしたことで、公示前の44議席が38議席に落ち込んだ。しかも、衆院選後の各種世論調査の政党支持率では、衆院選で議席4倍増と大躍進した国民民主党に抜かれ、野党第3位に転落しつつある。