ヘイリー・ビーバー はリップ収納スマホケースをどうトレンドにしたのか
SNSでは各ブランドがジョークを投稿
2月14日には、インスタグラムに990万人、TikTokに58万9000人のフォロワーを持つ創業48年のベネフィットコスメティックス(Benefit Cosmetics)が、自社の代表商品であるベネティント(Benetint)をスマホにテープで貼り付けるという、発売間近のロードのスマホケースをジョークのネタにした動画を投稿した。するとすぐに、数十ものブランドがそれぞれの自社商品を使って同様の動画を作成し始めた。 カラーポップ(Colourpop)はベネフィットをタグ付けして、「御社のリップスマホケースを拝見しましたが、さらに当社はリップとチーク付きのスマホケースを提案いたします💖🎀」と書いている。ベネフィットは冗談めかして「すべてのロードはイノベーションにつながる💭」と返信している。ある人は「ヘイリーと一緒に笑っているのか、ヘイリーのことを笑っているのかわからない」というコメントを残した。一方、「クリーンな」サプリメントブランドのヒルマ(Hilma)は、ガス+ブロートレリーフ(Gas + Bloat Relief)サプリメントのボトルをスマホに貼りつけ、「お腹にガスが溜まっている行動派女子のために🏃♀️💨」と投稿した。 これらの投稿はジョークだが、ロードのスマホケースがトレンドのきっかけになるというのは、いかにもという感じだ。最近のミルウォーキー(Milwaukee)のニュース番組によれば、Z世代の79%がデジタルウォレットを使用しており、物理的な財布を「時代遅れ」と考えている。「スマホ、財布、鍵」の時代は終わった。いまや「スマホ、リップクリーム、外出」の時代である。あるいは、ロードのコピーによれば、「テキスト、トリート、ティント(Text. Treat. Tint.)」だ。
潜在的なマイナス面
投資会社RX3グロース(RX3 Growth)の投資家でパートナーシップ責任者であるキラ・ジャクソン氏は、今回のリップケースに関する投稿で110万回再生以上を獲得しているが、さらなる考えをGlossyに共有してくれた。 「私はバッグを持たないタイプだ。だからこれを見たとき、どうしてどのブランドもこれをやらないのだろうと思った。(ロードにとって)これはカートサイズを拡大し、これらのリップグロスを集めている顧客を維持させるためのすばらしい商品だ。そうした人たちはすべての色を購入して見せびらかしたいと思っているし、それがその人の個性の一部となっている」。 ジャクソン氏によれば潜在的なマイナス面は、「TikTokやReddit(レディット)で話題にされているようなことだ」という。「つまり、人々はこれは無駄だと考えている。消費主義の極みであり、不必要な追加だと。いずれにせよ、業界のイノベーション全般について、そうしたことが多いともいえる」。