ヘイリー・ビーバー はリップ収納スマホケースをどうトレンドにしたのか
リップケースモーメントの作り方
とはいえ、スクエア型スマホケースで知られているケースティファイ(Casetify)やフロント(Flaunt)などの人気ブランドのケースも、40ドル(約6000円)から50ドル(約7500円)で販売されている。当然ながらそれらのケースにリップクリームは付いていない。 このリップケースは、2月4日の最初の発売予告から発売日までのあいだに、これまでのどの商品よりも多くの重要な瞬間を迎えている。 まずビーバー氏はスーパーボウル(Super Bowl)でリップケースを取り出し、ブランドはその様子を投稿した。インスタグラムの投稿には「試合の途中でタッチアップ 👀📱🎀✨ @haileybieber」というキャプションが付けられていた。 またバレンタインデーには、ビーバー氏がエレウォン(Erewhon)とコラボした新しいストロベリーグレイズソフトサーブ(Strawberry Glaze Soft Serve)のプロモーションにて、購入者にはロードからのプレゼントが当たるスクラッチチャンスがあり、その景品のひとつがこのリップケースだった。
TikTokでの反響は?
ビーバー氏がやることはいつもそうだが、「ストロベリーメイク」や「チョコレートシロップヘア」のように、このスマホケースもインターネットで話題騒然となった。 Glossyでは2022年に初めてマーケティングの主流化について報じており、かつて「内輪ネタ」と考えられていたマーケティングトークが、今やTikTokで人気コンテンツになっていることを取り上げた。このスマホケースの背後にある戦略も例外ではない。 TikTokはすぐにさまざまな意見であふれかえった。まず、このケースがiPhone14と15にしか対応していないことに人々は落胆した。8万5000以上の「いいね!」がついたあるTikTokでは、ユーザーのシドニー・クーパー氏が、このスマホケースを手に入れるために1000ドル(約15万円)の新しいiPhoneを買う可能性について投稿している。そのほか、この仕組みを改造してDIYバージョンのスマホケースを提案する人もいた。 また、このリップクリームに以前からある不満の声である「ザラザラ感」を解消するために、スマホとリップクリームのあいだに何らかの熱のバリアを作るような方法で設計されたのではないかと指摘する人もいた。実用性に関する文句も複数みられた。たとえば、MagSafeには対応していないなどだ。模倣品だという非難は? 当然ながらあった。見た目がヴァギナに似ている? それも言われている。 ブランド親和性と平均注文価格(AOV)を高める見事なマーケティング戦略だった? もちろんそうした意見もある。この記事に対してロードにコメントを求めたが、回答は得られなかった。