<ここに注目>関東王者・明秀日立の長打力 大島の「鉄腕」エースが挑む センバツ
大島・武田涼雅主将の話
(相手は)投打ともバランスの取れたいいチーム。(8年前のセンバツは小学生だった)すごく感動する試合だった。そんな試合がしたい。(エースの大野稼頭央は)頼もしく、信頼している。
14年春は21世紀枠で出場
1901(明治34)年に開校した県立大島農学校が前身。16(大正5)年に県立大島中学として新たに開校し、敗戦で奄美群島が本土から行政分離されていた49年、米軍の行政機関・臨時北部南西諸島政庁(当時)の大島高校になった。その後、主管は米軍政府下の奄美群島政府や琉球政府に変わり、奄美群島が本土復帰した53年、県に移管されて県立鹿児島大島高校に。56年、県立大島高校になった。 国公立大に毎年20~30人の合格者を出し。地元では「だいこう」の愛称で親しまれる。野球部は73年創部。甲子園は2014年春の第86回センバツに21世紀枠で初出場した。
初出場時の主将・重原龍成さん「エンジョイング・ベースボールの精神で」
私たちが初めて甲子園に出た時、まだ小学生だった選手たちの試合がいよいよ近づいてきました。奄美大島の人たちも活躍を期待して、島全体が熱を帯びているように感じます。 大島の野球の特徴は、どんな逆境でもひっくり返すパワーです。どの選手もピンチで何とかしてくれる雰囲気を持っています。左腕エースの大野稼頭央投手、打線の中心の武田涼雅主将には特に注目しています。彼らが火付け役になれば、チームの全員が実力を発揮できると思います。 選手たちには、いつもと違う環境でも自分の力を出し切ることに集中してほしいとアドバイスしました。モットーの「エンジョイング・ベースボール」の精神で頑張ってほしい。そして、島に甲子園での初勝利を持ち帰ってほしいです。
下位打線も強力な明秀日立 名選手のおいも
2017年は決勝で敗れた秋の関東大会を21年は制した。成長を示して4年ぶりのセンバツに臨む。 看板の強力打線は下位からも得点できる。21年秋にチーム最多の12打点をマークした6番の佐藤光成(3年)や、7番で3本塁打を放った小久保裕紀・ソフトバンク2軍監督のおいの小久保快栄(3年)らが頼もしい。 最速142キロのエース右腕・猪俣駿太(3年)は関東大会初戦の準々決勝と準決勝を一人で投げ抜き、完投能力がある。守備も堅く、21年秋の平均得失点差7・30は出場校中4位で、攻守にバランスの取れたチームだ。 副主将でもある田中杏璃マネジャーにも注目だ。的確な声がけなど、「選手とともに戦っている」と金沢成奉監督の信頼も厚く、記録員としてベンチ入りする予定だ。 18年の第90回大会で初出場ながら2勝を挙げ3回戦に進出した。金沢監督は「力を出し切れば、結構、上の方に行ける」と上位進出に自信をのぞかせる。