<ここに注目>関東王者・明秀日立の長打力 大島の「鉄腕」エースが挑む センバツ
◇第5日第2試合 大島vs明秀日立
猛打の関東王者・明秀日立を、大島の左腕が抑えるかが焦点だ。 2021年秋の関東大会を初制覇した明秀日立は、3試合で25得点の強力打線だ。21年秋の公式戦で4本塁打の4番・武田一渓(3年)が中心の打線は長打力があるうえ、盗塁が多く機動力も備える。関東大会初戦の健大高崎(群馬)との準々決勝で、左腕を攻略した経験もあり、攻撃の糸口をつかめば勢いに乗りそうだ。 【過去には小芝風花さんも】センバツ応援イメージキャラクター 投手陣は右腕の猪俣駿太(3年)がエース。変化球を駆使して打たせて取る投球が持ち味だ。1試合平均失策数が出場校中最も少ない守備陣が支える。 大島のエース左腕・大野稼頭央(3年)は、21年秋の鹿児島大会から九州大会準々決勝まですべて完投。最速146キロの直球と多彩な変化球で硬軟自在の投球を見せ、九州大会準々決勝は全国制覇の経験もある興南(沖縄)を完封した。スタミナは十分なだけに配球で裏をかければペースを握りそうだ。 打線はチームトップの打率4割8厘の西田心太朗(3年)と主将の武田涼雅(3年)が勝負強い。大野の粘投で接戦に持ち込み、無死一塁からでも強攻する持ち味の積極策でリードを奪いたい。【吉見裕都】
大島、エースの制球頼りに大胆シフトも
2014年に21世紀枠で初出場を果たした奄美大島の県立校が念願だった一般選考での出場を果たした。離島勢として初制覇した21年秋の鹿児島大会はサヨナラ勝ちが4試合。粘りを生み出すのはエース左腕の大野稼頭央(3年)だ。 21年秋の九州大会は4日間の3試合で467球を投げた。引き分け再試合となった大分舞鶴との1回戦は最速146キロの直球で押し、計19回で28三振を奪った。野手は大野の制球力を頼りに大胆に守備位置を変更する。2死三塁のピンチで三遊間を極端に狭め、遊ゴロに仕留めて先制点を防いだ場面もあった。 打線は好機に強い。21年秋は、投手ながら2番を打つ大野が4割近い打率をマークし、5番の中優斗(3年)は9打点を挙げた。甲子園で8強入りするチームを分析した結果として、「7得点以上、2失点以内」を目指し序盤から仕掛けて複数得点を狙う。 甲子園ベスト8を掲げることは、初勝利にも通じる。