スマホ市場の停滞感打破なるか? ついに動き出したWindows10スマホとは
Windows Phoneに残る最大のネックは解消できるか
そして、Windows Phoneが成功するか否かの最大のカギとなるのが、多彩なユーザー体験を提供するアプリマーケットの成否です。米国appFiguresのレポートによると、Googleの「Google Play」に登録されたアプリケーションは2014年時点で143万本。Appleの「iTunes Store」の登録アプリケーション数も121万本で、MicrosoftのWindowsストアをはじめとする他のアプリマーケットを凌駕しています。スマートフォン市場が急成長した際にGoogleとAppleの2極化が進行した背景には、このアプリマーケットの成功が大きく寄与していると考えられ、Windows Phoneが成功するためにはMicrosoftが開発者にもユーザーにもメリットのあるアプリマーケットを形成できるかどうかが大きなポイントになると考えられます。
この点について、Microsoftはある“秘策”を用意。今年の4月に米国で開催された開発者向けカンファレンス「Build 2015」において、AndroidやiOS向けに開発されたアプリケーションをWindows Phoneに移植できる開発者向け環境を提供することが発表され、アプリケーション開発者が簡単にWindowsのアプリマーケットに参入できるようになりました。しかし、技術的にアプリを移植できたとしても、開発者に高い収益性を提供できるか、Windows Phoneならではの新しいユーザー体験を創出できるか、対応端末の普及拡大を世界的に推進できるかなど、Windows Phoneがシェアを伸ばすための課題は山積しており、Windows Mobileの勝負はまだ始まったばかりだと言えるでしょう。端末の販売と対応アプリの増加を成長の“両輪”にしながら、市場の注目に応えられるかどうかが重要になりそうです。 2011年にKDDIから発売された「IS12T」以来、日本のモバイル市場から姿を消してしまっていたWindows Phone。今年はその復活元年となるのかどうか、今後の動向に注目したいところです。 (執筆:井口裕右/オフィス ライトフォーワン)