【ベトナム】個人預金残高が過去最高に、不透明感が影響
ベトナム国家銀行(中央銀行)によると、国内の商業銀行の今年7月末時点の個人預金残高は、約6,840兆ドン(約2,764億4,000万米ドル、40兆4,941億円)となり、過去最高の水準に達した。経済の先行きが不透明であることなどから、消費者が投資に保守的になっているようだ。ベトナム外資系企業協会(VAFIE)の電子メディア「インベスター」などが3日に伝えた。 個人預金残高は2023年末から4.68%(306兆ドン余り)増えた。国家銀によると23年後半から24年にかけては金利が低かったものの、この2年間は個人の預金残高が増加傾向にある。専門家は、経済の先行き不透明感や株式・不動産投資に対する警戒感の高まりが背景にあると指摘する。 今年4月以降は金利が上昇していることも、預金の増加を促した。預金金利は年初から0.5~1.0ポイント上昇。一部の銀行では18~36カ月の定期預金金利が年6~6.15%に達している。 個人預金と対照的に、法人の預金残高は減少傾向にある。専門家は、新たな投資によって収益性を高めようとする企業が多いためだとの見方を示している。