【毎日書評】自分の「思考のクセ」に気づけば、どんな人でも会話上手に変われる
「思考のクセ」をつくっている原因は?
私たちに思考のクセがあるのだとしたら、それはどうやってつくられたのでしょうか? この疑問に対して、著者は次のように答えています。 人間は、一番身近な存在、自分に近いところにいる人からの言葉に最も強く影響を受けてしまうものです。(199ページより) たしかに、名前も知らないような通りすがりの人に「お前はダメなやつだ」といわれたとしても、それを真に受けることは少ないのではないでしょうか。 なぜなら、その相手は身近な存在ではないからです。しかし、同じことを親のような身近な人にいわれたとしたら、少なからず傷ついてしまうかもしれません。 このことに関しての重要なポイントは、「自分自身こそが自分に最も身近な存在である」ことだそう。つまり私たちの思考のクセをつくり出しているのは、私たち自身だということです。(199ページより)
日常を変えるための3つのポイント
だとすれば、凝り固まってしまった自分のクセをなんとかしたいところ。著者によれば、そのためには次の3つのポイントを実践してみることが大切なのだそうです。 ① 自分への問いを変える。 ② 語尾に音符をつけて話す。 ③ 笑顔の特訓をする。 (202ページより) まず①に関しては、「人間の脳は、質問されるとパッと答えようとする」という特性を持っていることが重要なのだといいます。 たとえば「昨日の夜なに食べた?」と聞かれたら、反射的に思い出そうとするはず。すぐに答えが出るかどうかはともかくも、無意識のうちに答えようという反応をするわけです。 ならばそうした習性を利用し、「自分自身にポジティブな質問をすることで、ポジティブな思考のクセをつくっていこう」とする。それが「自分への問いを変える」という方法。 例えば、仕事、食事、通勤、家族、趣味、ルーティン、経済面、勉強、出会い、人生そのものなどに対して、 ① 喜んでる? ② 感謝してる? ③ 楽しそうにしてる? ④ 伝えてる? 伝わってる? と自分自身に頻繁に質問してみるのです。 (203ページより) すると、その質問が「リマインダー」のような機能を果たしてくれるため、自分を客観視できたり、感謝の心を思い出せたりするため、思考のクセをなおすきっかけになるというのです。(202ページより)