東海大相模「予定通り」の奇策 先発は背番号18 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第2日の20日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、2年連続12回目出場の東海大相模(神奈川)が5年ぶり6回目出場の東海大甲府(山梨)に3―1で勝利し、センバツでは初となる東海大系列校同士の対戦を制した。東海大相模は大会第7日の第1試合で、鳥取城北と2回戦を戦う。 【甲子園で公式戦初先発した東海大相模・石川】 東海大相模の先発のマウンドに立ったのは、大黒柱のエース左腕・石田ではなく、開幕数日前に登録変更されベンチ入りしたばかりの右腕・石川だった。背番号18の先発は「奇策」にも見えたが、門馬監督は「私の中では予定通りだ」。その言葉通り、球威のある直球で押して8回1失点で勝利に貢献。「東海大対決」の熱戦を左右した好投には、どんな経緯があったのか。 昨秋公式戦では先発でわずか1イニングしか投げていない石川だが、経験不足を感じさせず、直球と落ちる球をテンポ良く投げ込んだ。三回2死満塁のピンチをしのぐと、四回からは4イニング連続で3者凡退。八回に同点にされたが、「自信を持って投げられた」と胸を張った。 その分、九回から救援した石田は余力十分。2回を4奪三振でぴしゃりと抑え、延長十一回の勝ち越し点を呼び込んだ。最後まで一人で投げ続けた東海大甲府の若山とは対照的。門馬監督はロースコアの接戦を予想し、「石田は後ろがベスト」と考えていた。 当初は故障を抱えながらも経験のある金城龍輝投手(3年)をベンチ入りさせていた門馬監督。「石川にはまだ甲子園は荷が重い」と感じていたが、悩みながらも最後に登録変更を決断したのは「石川が状態を落とさなかった」ためだ。本番でも「予定通り」石田の前を託した。 昨秋の関東大会で敗れた東海大甲府にリベンジし、「粘れた」と選手たちの成長を実感した門馬監督。厚みを増した投手陣で、3回目のセンバツ制覇を目指す。【吉見裕都】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。