日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key's note】
欧州でも完全EV化には慎重の姿勢
政府が期待するようにBEVが普及したら、高速道路のサービスエリアなどに、100基規模の急速充電器が必要だと試算されていましたし、そのためには化石燃料発電を活性化させる、あるいは原発を増やさなければ賄えないとの話もありました。 そもそも急速充電に30分が必要であり、夏や冬の遠距離ドライブはストレスですね。BEV化を否定する気はありませんし、実際に僕は内燃機関だけではなくBEVも所有しています。BEVにもメリットはあるとは思います。ですが、当面は内燃機関と電気モーターを合体させたハイブリッドが現実的です。計画どおりのBEV化は不可能であることは、肌感覚でも想像できることでした。 だというのに、日産の船頭は「ハイブリッドが急速に伸びるのを読めていなかった」と……。 個人的には日産は好きなメーカーです。クルマへの愛情は並々ならぬものがあります。他メーカーが手を出せない「GT-R」や「フェアレディZ」を生産し続けてくれています。少々不器用なところがありますが、愛すべきメーカーです。ですが、この度のBEV化は拙速しすぎましたね。 僕はレースに参戦するためにドイツを訪れますが、彼の地のメーカーはしたたか。ドイツ国民もドイツ政府が発表したような電動化は達成できないと予想していたようです。いずれ政府も前言撤回すると予想していました。政府の強引な電動化宣言は、撤回前提での打ち上げ花火だと覚悟していたのです。 ですから、ドイツの自動車メーカーも、内燃機関の開発は続けていましたし、過剰なBEVシフトはしませんでしたね。したたかなのです。VWを除けば……。 もっとも、日産には技術的なバックボーンがありますし、いずれ復活してくれると信じています。ただしそのためには、庶民感覚に敏感な経営者が必要なのかもしれませんね。
木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
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