日本一のラグジュアリームーバー「レクサスLM500h」で巡る古都。伝統と美食の京都を、極上の移動体験とともに味わう【ロングランテスト】
ずっと運転席にいられるのはドライバーズカーである証
かつて京都から東京へと拠点を移した和菓子の老舗「とらや」で食後の抹茶とデザートを楽しみ、お腹と心も満たされて、それでもなおドライバーズシートに収まっていられること自体、ミニバンであるLMにドライバーズカーの本質が備わっていることの証でもあるだろう。もっとも、パーテーションに遮られた向こう側の様子もそろそろ気になり始めてはいた。 東京への土産物を買い回る。洛中の繁華街、洛北、山科あたりを巡ってこの日は京都駅に近いホテルで心地よい疲れを癒すことにした。結局、私は日がな一日LMをドライブしたのだ。しかも京都市内をぐるぐると。 確かにお楽しみ(後席)は取っておくタチとはいえ、それだけLMの日常的なドライバビリティに慣れ親しめたということだろう。 翌日。いざ東京を目指すとなってなお、私はドライバーズシートに居座った。街中での良さはわかったけれど、高速道路での性能はどうか、知りたかったからだ。 京都に住んでいるため月に数度、最近ではほぼ週イチ、最新モデルを往復のテストドライブに供するという生活をかれこれ十年以上も続けてきた。おかげで高速道路に入って半時間もドライブすれば、その先の長い道のりが快適かそうでないかの見当もかなり高い確率でつくようになっている。 はたして京都東インターから名神高速に入り、大津トンネルへ向かう登り坂を加速しはじめたとき、「これなら大丈夫」という手応えを早くも感じ取った。街中で感心した前輪の動きは高速域になると程よく安定し、目線を先に置きさえすれば車線を正確にトレースする。これなら運転支援も不安なく使えそう。
ビジネスユースだけではもったいないと思わせる後席
しばらく高速ドライブを楽しんでグランドツーリングとしても使えることを確認すると、ようやく「とっておき」を試したくなった。サービスエリアでドライバーチェンジ。最新の「ビジネスクラス」シートへと移った。 極楽だ。48インチの巨大なモニターでテレビのニュース番組をチェックしたり、リラクゼーション機能で日々の疲れを癒す。 上質な仕立てや快適な装備をビジネスユースだけに使うことはもったいない。頭の揺れを抑えた後席重視の心地良さとこのエンターテインメント性さえあれば、日頃から長距離ドライブを嫌う妻を遠出に誘うこともできるだろうか。 否、そうなると私はドライバー。できれば二人で後席を楽しみたいがショーファーを雇う甲斐性などない。かといってパーテーションの窓を開けておくのも……。 あれこれ想像を掻き立てることもまた新しいモデルの魅力だ。期待と不安で始まったLMのドライブは大いなる満足で終わろうとしている。ゆうに200kmぶんは後席でぐっすり眠っていたけれど。(文:西川 淳/写真:永元秀和) レクサス LM500h “エグゼクティブ” 主要諸元 ●全長×全幅×全高:5125×1890×1955mm ●ホイールベース:3000mm ●車両重量:2460kg ●パワートレーン 種類:2.4L直4ターボ+2モーター ●エンジン最高出力:202kW(275ps)/6000rpm ●エンジン最大トルク:460Nm(46.9kgm)/2000-3000rpm ●モーター(フロント/リア)最高出力:64kW(87ps)/76kW(103ps) ●モーター(フロント/リア)最大トルク:292Nm(29.8kgm)/169Nm(17.2kgm) ●システム最高出力:273kW(371ps) ●トランスミッション:6速AT ●駆動方式:4WD ●WLTCモード燃費:13.5km/L ●燃料・タンク容量:プレミアム・60L ●タイヤサイズ:225/55R19 ●車両価格:20,000,000円
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