パリへの道 柳田大輝の自信、内定サニブラに続く日本勢2番手 追い風参考も15日に9・97 大激戦男子100メートル
陸上のトラック、フィールド種目で、パリ五輪の代表選考会を兼ねた日本選手権が27日に、新潟・デンカビッグスワンスタジアムで開幕する。激戦が予想される男子100メートルは、予選、準決勝が29日、決勝が最終日の30日に実施される。代表はサニブラウン・ハキーム(25)=東レ=が既に内定済み。今月15日に追い風参考記録ながら9秒97をマークした柳田大輝(20)=東洋大3年=は、残り2枠の五輪代表を目指し、自分の走りを貫く。 今、一番勢いのある20歳が、新潟で決戦の時を迎える。優勝候補筆頭の柳田は、虎視眈々と初の五輪代表を狙う。 「自分の求めている動きができれば、9秒台を出せるんだと感じた。(日本選手権で)タイムを出せるに越したことはないけど、まずは2番に入ることが一番重要かなと思います」 15日に日本学生個人選手権の男子100メートル準決勝で、追い風3・5メートルの参考記録ながら、9秒97をマークした柳田。自身初の〝9秒台〟にも浮かれず、冷静に語った。 群馬・東農大二高2年だった2020年の日本選手権に初出場し、7位入賞。21年も7位で、同年の東京五輪は、400メートルリレーの補欠だった。22年の世界選手権(オレゴン)に初出場。昨夏のアジア選手権(バンコク)は自己ベストの10秒02で優勝した。同8月の世界選手権(ブダペスト)も100メートル代表、400メートルリレーは2走で5位入賞に貢献するなど、代表に定着しつつある。 東洋大3年で迎えたパリ五輪イヤーは、シーズンインを1カ月弱遅らせた。「去年は7月のアジア選手権あたりで一度ピークが来て、ブダペストはぎりぎり間に合わせた感じだった。今年はパリを目掛けて準備をした」。オフはウエートトレーニングに力を入れ、4月末に米国での今季初戦で、自己ベストタイの10秒02をマーク。5月には、世界最高峰のダイヤモンドリーグ(オレゴン)に出場するなど、国際大会でハイレベルなレースを経験してきた。 今大会での即時内定には、参加標準記録の10秒00突破での優勝が条件。ただ、柳田は世界陸連が定める五輪ランキングで、今大会は出場しないサニブラウンに続く日本勢2番手の33位(24日現在)のため、2位以内ならば代表入りが当確となる。