三笘が初選出…なぜW杯アジア最終予選11月シリーズに挑む森保JにJ王者の川崎勢が急増したのか?
左サイドを主戦場として中盤としても、そしてウイングとしても緩急を駆使したドリブルで相手ゴール前へと切り込み、自らゴールを決めるだけでなく味方をも生かす三笘へ、森保監督は「彼の攻撃力は日本の武器になる」と期待を寄せた。 「ヨーロッパで戦うなかでしっかり力をつけているのも確認できた。所属チームではウイングバックとして攻撃でも守備でもハードワークしながら、インテンシティーの高いプレーをこなしているので、厳しいアジア最終予選でも力を発揮すると思っている」 昨シーズンに筑波大から川崎へ加入した三笘は、J1戦線を席巻し続けた大活躍ぶりが評価されて今夏にプレミアリーグのブライトンへ完全移籍。労働許可証が発給されなかった関係で、ベルギーのユニオン・サンジロワーズへ期限付き移籍した。 評価を一気に高めたのが10月16日のセラン戦だった。後半開始から途中出場した三笘は、衝撃的なハットトリックを達成してチームの逆転勝利に貢献。その後は2試合連続で[3-5-2]システムの左ウイングバックで先発を射止めている。 アジア最終予選に目を向ければ、日本の総得点「3」はグループBの最少であり、そのうちひとつはオーストラリア戦で決勝点となったオウンゴールだった。 4連敗で最下位のベトナムの総失点「10」はグループBのワーストだけに、得失点差の争いになるかもしれない今後を見すえれば、勝利だけでなく複数のゴールがほしい。右サイドの伊東純也(ヘンク)とともに個の力で局面を打開できて、決定力も兼ね備える三笘の初選出は、日本が置かれた状況的にも理にかなっている。 三笘と同じ1997年生まれで、順天堂大から川崎入りした旗手も初招集された。 川崎ではインサイドハーフやウイングだけでなく、故障者が出た左サイドバックとしても及第点のプレーを披露。東京五輪にも二刀流で臨んだマルチローラーをDF枠に加えた森保監督は、DFとして「固定して見ているわけではない」と言い、こう続けた。 「両方でプレーできるなかで今回はDFで置かせてもらっている、という認識でいてもらえれば。チームや彼の状態を見ながら、表記にとらわれずに起用していきたい」