クリスマスに巡るキリスト教「3つの聖地」~ナザレ・エルサレム・ベツレヘム
さらにナディルさんはこう続けました。 「自分たちもベツレヘムに行ってお祝いするよ。ムスリムでもクリスチャンでも、みんな一つの神を信じてるからね」
▼ユダヤ教 天高くそびえる「嘆きの壁」。名前は聞いたことがあるという人は多いかもしれません。
「嘆きの壁」と呼ばれているのは、かつてユダヤ教の神殿を囲んでいた外壁の一部です。祈りの場所は、男性用と女性用に分かれています。
12月22日は、ユダヤ教の「ハヌカ」というお祝いの第一日目の夜でした。夕方になると嘆きの壁周辺には普段より多くの人が集まり、壁の前に用意された燭台に火が灯されるセレモニーが始まりました。
若い女性の三人組が、広場に流れる音楽に合わせて歌を口ずさんでいました。ハヌカを祝うためにエルサレムに遊びにきたといいます。 イスラエル国内で働くハンナさん(18)は「ハヌカはきょうから8日間続いて、一日に一つずつ、ろうそくを灯していくの。家族が集まってソフガニヤ(ハヌカの時期に食べられるドーナツのような甘い油菓子)を食べたり歌を歌ったり、みんなでゲームしたりするのよ。ハヌカはとっても楽しいお祝いなの」と話しました。
ハヌカはクリスマスの時期と重なることが多いというハンナさんですが、「クリスマスはキリスト教のお祝い。私たちユダヤ教徒は、ハヌカをお祝いするの」とのことで、エルサレム旧市街のユダヤ人地区は、ハヌカのお祝いムード一色でした。
▼イスラーム教 旧市街の北東部はムスリムが多く住んでいるエリアですが、キリスト教会も立ち並んでいます。イエスが十字架を背負って歩いた道「ヴィア・ドロローサ」の一部もここに位置します。
「岩のドーム」は、イスラーム教の預言者ムハンマドが天国に昇ったといわれている聖岩を覆い抱くように建っています。岩の下の洞窟はアブラハムやダビデといった聖人が祈った場所といいます。 しかし、ドームの中はムスリム以外立ち入りが禁止されており、入れませんでした。 岩のドームから降りた階段の下の建物の前に座って話をしていた女性のグループがいました。建物の中で何をしているか聞いてみると、中ではクルアーン(コーラン)の試験が行われているため、順番を待っているとのこと。毎週月曜と木曜にクルアーンの勉強会があるのだといいます。「モスクに行くのは祈りの時よ」とアレーさん(32)が話しました。