クリスマスに巡るキリスト教「3つの聖地」~ナザレ・エルサレム・ベツレヘム
ヘンリエットさんによると、クリスマス当日をイエス生誕の地、ベツレヘムで過ごした巡礼者たちがその後にナザレに立ち寄る傾向があるため、12月26日以降はナザレを訪れる人の数がさらに増えると言います。
【エルサレム】イエスの墓がある街
次に訪れたのはエルサレムです。「イエスの墓」がある教会など、キリスト教徒にとって非常に重要な場所があります。同時にユダヤ教、イスラーム教にとっての聖地でもあるエルサレム。それぞれにとって極めて大きな意味を持つ場所が数多くあります。 エルサレム旧市街は城壁に囲まれ、大まかにユダヤ人地区、キリスト教徒地区、ムスリム地区、そしてアルメニア人地区に分かれています。
旧市街を囲む壁のすぐ近くにある軽食屋さんに入ると、テーブルには「戦争ではなく、フムスを作ろう(Make Hommus Not War)」と書かれたタイルが埋め込まれていました。
フムスはひよこ豆をペースト状にしたもので、中東地域では平たいパンと共に食べます。
食事は宗教の域を超えて共有されているもの、と言えるかもしれません。
▼キリスト教 エルサレム旧市街にある「聖墳墓(せいふんぼ)教会」は、イエスが十字架に架けられたゴルゴダの丘とされる場所に建っています。
イエスが十字架を背負って歩んだ「ヴィア・ドロローサ(悲しみの道)」は多くの小さな商店などが立ち並ぶ細い路地です。巡礼に訪れたキリスト教徒たちが、イエスが歩んだ道をたどっていく様子がみられました。
聖墳墓教会はヴィア・ドロローサの終点に建っており、「イエスの墓」などのゆかりの場所を訪れるため、世界中から巡礼者や見学客が詰め掛けます。
聖墳墓教会を出てすぐの土産物店で店主の男性に話を聞きました。店に立ち始めて20年になるというムスリムのナディルさん(37)です。 「祖父の代から店を営んでいるよ。エルサレムはずっと変わらず、一年を通して世界中から訪問客が来る。この時期に観光客やキリスト教の巡礼者が多いということは特になくて、どちらかというと空いている。みんなこの時期はベツレヘムに行く。それこそベツレヘムには、北、南、西、東、世界中から人が集まる」