型破り設計「折りたたみ翼備えたプロペラド多数旅客機」なぜ? 実用化すれば超有能?な全貌とは
2030年初飛行予定
オランダのスタートアップ企業では、ユニークな形状を持つ90人旅客機「E9X」の開発を進めています。飛行試験の開始は2030年を予定しています。そのルックスの最大の特徴は「8発プロペラ」による推進を行うということです。実用化されているプロペラ機は、エンジン数は一般的に多くとも4発です。なぜこのような配置をしているのでしょうか。 【画像】ナニコレ! これが驚愕ルックス「折りたたみ式翼の8発プロペラ機」全貌です この「E9X」は、いわゆる分散推進というものだそうで、出力の小さい推進装置を多めに配備することで、離着陸能力の向上、騒音抑制といった効果も期待されるとされています。 この機は現行のジェット燃料ではなく「バッテリー電気式」の推進装置を用いることが特徴で、このことで航空機運航でのCO2排出量を実質ゼロとする「ゼロエミッション」を達成できるとしています。航続距離は最大800km、折りたたみ式でバッテリーが内蔵されている主翼を設置しています。 同社によると「将来的には航続距離が1000kmとすることで、経由便で最大2000km離れた就航地をカバーできる」とのこと。また、1人の乗客あたりのCO2排出量も、乗客数1.2人が使用する平均的な電動自動車(EV車)の効率まで高めることができるともしており、同じく「ゼロエミッション」の動力源として研究が進められている水素などと比べると、運航コストやメンテナンス費用を安く抑えることができるといいます。
乗りものニュース編集部