「ポッカレモン100」刷新、機能性表示食品化で需要拡大目指す/ポッカサッポロフード&ビバレッジ
ポッカサッポロフード&ビバレッジは9月2日、濃縮還元レモン果汁100%の「ポッカレモン100」3品(120ml/300ml/450ml瓶)で、ブランド初の“高めの血圧(収縮期血圧)を下げる”機能を表示した機能性表示食品としてリニューアル発売する。中味と価格は変更しない。機能性表示食品化したことにより、商品そのもので健康機能を訴求できる商品になるという。認知拡大に向けて、テレビCMやWEB動画も配信する。 「ポッカレモン100」は、レモンの健康成分の1つであるクエン酸が含まれる。クエン酸が血管内皮の筋肉を弛緩させることで血管が拡張し、また血小板凝集の抑制や血液凝固を抑制することにより血液の流動性が改善され、高めの血圧を下げる効果が確認できたという。そこで今回、“高めの血圧(収縮期血圧)を下げる”と表示した機能性表示食品として刷新する。 国民健康・栄養調査(令和元年)によれば、男性は40代以上の2人に1人、女性は50代以上の3人に1人が高血圧予備軍以上となっており、高めの血圧を下げる機能のニーズは高いことがわかっている。同社はレモン果汁による血圧への影響に関する研究を2004年に旧ポッカ社員での約100名によるレモン継続摂取調査を行い、その後も広島県島しょ部などで複数回実施してきた。
ポッカサッポロフード&ビバレッジは、8月21日に商品発表会を開催し、同社研究開発本部の平光正典さんは、レモンによる自治体との血圧研究の取り組みについて、2008年に広島県島しょ部のレモン生産者に対して6カ月間のレモン食生活調査を約110名に対して行った結果について、「1日のレモン平均摂取量が多い人ほど、収縮期血圧の変化量と負の相関があった」「日常的にレモンを摂取することで血圧を下げる可能性が示唆された」などと紹介した。 また、2018年から2023年にかけては、広島県の大崎上島町の成人男女に対して、日常的なレモン摂取による長期介入研究を行い、レモン果汁を毎日30ml継続摂取することで、収縮期血圧が上昇するリスクを有意に低減することがわかったという。2024年4月から7月には、「ポッカレモン100」を製造する同社名古屋工場のある愛知県北名古屋市とプロジェクトを進め、市役所職員100人を対象に、レモン果汁を継続摂取することにより、血圧を中心とした健康状態に及ぼす効果を明らかにするための調査を実施したという。 マーケティング本部の室晃司さんは「ポッカレモン100」について、「商品自体の進化と用途別商品の展開、健康機能価値の発信により、売り上げは順調に推移している」とした。今年も1~7月累計売上金額は、前年比106%と好調に推移している。 一方、課題は認知率と購入経験率を上げることだという。室さんは、「有用性をわかってもらえれば、まだまだ伸びしろはあると考えている」とし、今回のリニューアルは、「発売から52年目※の大改革になる」と話した。 ※「ポッカレモン100」を機能性表示食品として論文発表した2023年を示す。
ポッカサッポロフード&ビバレッジは、生活者のウェルビーイング(身体的、精神的に健康な状態)に貢献するため、レモンの総需要拡大を目指している。具体的な目標としては、レモン果汁の調味料常備率を現在の約2割から、数年以内にお酢と同レベルの3割程度まで引き上げるとしている。今回の機能性表示食品化をきっかけに、有用性を幅広く発信したい考えだ。
食品産業新聞社