ラッパー・般若が大麻題材のドラマに主演する意義「“なんでダメなの?”に対して各々のアンサーが出せれば」
ラッパーの般若が主演を務める、2025年1月9日(木)夜11:00スタートのABEMAオリジナルドラマ「警視庁麻薬取締課 MOGURA」。本作は、ラップスキルのある警察官が、覚醒剤や麻薬などの違法薬物を摘発するためにラップグループに潜入捜査を行ったという実話を基に描く、HIPHOPエンタメドラマだ。今回、潜入捜査を行う警察官・伊弉諾翔吉(イザナギ ショウキチ)役で、ドラマ初主演を果たす般若にインタビュー。主演への意気込みや、大麻とHIPHOPという踏み込んだテーマに挑戦する意義などを語ってもらった。 【写真38枚】強烈な個性を放つ、般若撮りおろしショット ■芝居して、ラップもして“忙しそうだな”と(笑) ――般若さんの役どころを教えてください 伊弉諾翔吉というマル暴の刑事が、大麻捜査のためにラップグループに潜入するという、まあまあとんでもない役です。どうやら、実在したっぽいですよ。ドラマの主演をやるなんて思っていなかったですし、緊張もしましたね。僕以外のラッパーの人たちは、ほぼほぼ俳優という仕事が初めてという感じだったので、緊張感も伝わってきていました。 ――般若さんがおっしゃる通り、実在する警察官がモデルだったり、脚本の構成や設定がすごくユニークだったかと思うのですが、脚本を読んだ感想をぜひ教えてください。 もう忙しそうだなっていう…(笑)。芝居だけじゃないんだ、ラップするんだっていう感じでしたね。その両方あるパターンだったんだっていう。 ――”ラップ未経験”という役どころでもありますが、いかがでしたか? 僕っぽくならないようには頑張っていました。結構、難しかったです。 ■地上波ではできない、非常に難しいテーマ ――今作にはRedEyeやCYBER RUIといった若い世代のラッパーの方が出演していますが、若い世代のラッパーの活動の幅が広がっていくことに関しては、どのようにお感じになられますか? めっちゃくちゃいいことじゃないですか。俺が20代の時はそんなんなかったんだけど、めちゃめちゃいいじゃないですか。役者をやるやつが増えるんじゃないですか?マジの話、ちょっと大変だから。今回出演した人たちはみんな思ってる、めちゃくちゃ大変だったって絶対思ってます。いや、いいことっすよ。どんどんやった方がいいですよ。 ――ラッパーの方々には、何かアドバイスをされることもあったのでしょうか? 気づいたところとか、聞かれたことには答えたりしました。でもみんな仕上がっている感じがあったんで…まあ終わってみたらあっという間でしたね。 ――かなりチャレンジングな内容のドラマですが、どのようにお考えでしょうか? 地上波では絶対できないことだし、ついに避けられないとこまで来たかって、俺個人としては感じているんですね。ラッパーイコール薬物っていうイメージもあると思うんですけど。まあ、非常に難しいテーマではあると思います。この国ではダメなことに対してのテーマを扱っていますから。 連日ニュースの中で逮捕される人間が続出してて、またそこにHIPHOPがどっぷり浸かっていてみたいな。まあきれいごとは言いたくないんですけど、じゃあなんで合法の国があるの?とか、なんでダメなの?とか、そういうのはみんな思っていると思うんですね。そういう思っていることに対して、一個今回出た人たちなりのアンサーがあればいいんじゃないかな。 そして、大麻を扱っているテーマではあるんですけれども、その奥にも違うメッセージがあったりとか、守るものだったり受け継いでいってるものだったりとかっていうのがあるので、そういう部分を分かってもらいたいな、と。 ――最後に、この作品を通じて般若さんが伝えたいメッセージをお聞かせください。 ここで「大麻最高!」とか言ってたら最高なんですけどね(笑)。まあでもしっかりとした役者の人たちがこれだけ出ていて、さらにびっくりするぐらい、みんなが普段聞いてるアーティストたちがフェスみたいにドラマをやっているんですよ(笑)。そんなみんなの普段とは違う顔をしっかり見てほしいなって。そして、当たり前だけど関わった人たちの作品だったりとか、楽曲っていうものを今一度聞いて欲しいですね。 「警視庁麻薬取締課 MOGURA」は、鈴木おさむが放送作家、脚本家の引退前に企画・プロデュースした作品となり、ラッパーの漢a.k.a.GAMIから3年前に聞いた実話をもとに制作された、ABEMAオリジナルドラマ。 共演はほかに成海璃子、吹越満、吉村界人、眞木蔵人、風間俊介ら。またJin Dogg、G-k.i.d、RedEye、CYBER RUIらラッパーも多数出演するほか、物語のナビゲーターをRHYMESTERのMummy-Dが務める。 撮影=山田大輔 [EXCLUDE]