50代女性は食べているのに実は栄養が足りていない? 心療内科医が語る「50代女性に必要な栄養」
年を重ねても輝ける心と体に大切なこと
自分の食生活に自信がある方はどれくらいいるでしょうか?「カロリーは足りていても食品の偏りで栄養が取れていない方が多い」と心療内科医・姫野友美さんは言います。クリニックで取り入れている栄養療法とは? 50代の女性に必要な栄養素を解説します。 ■婦人科医が解説!更年期後の女性の体のトリセツ
若々しさの秘訣は「栄養療法」
クリニックでの診療、テレビ番組「主治医の見つかる診療所」(テレビ東京)などへの出演など、忙しい毎日を送る心療内科医・姫野友美さん。取材のために、私たちが「ひめのともみクリニック」を訪れたのは、夜の8時を過ぎた頃でした。 実は、編集部と姫野さんとのお付き合いは、かれこれ10年以上。この日も診察後で疲れていらっしゃるはずなのに、編集部が感じたのは「最初にお会いしたときと全然変わっていない!」ということ。お会いするたび、以前と変わらない若々しさに驚かされます。 姫野さんは、現在66歳(2019年取材時)。 「おやつの撮影用に、お皿を出しましょうか?」と私たちを気遣い、テキパキと撮影小物をご用意くださる姿も、くすみのない明るい顔色も、元気そのもの。 この若々しい姿こそが、姫野さんが伝える「食(栄養)のバランスを整えること」の重要性を物語っています。
栄養指導でうつやパニック障害が改善
姫野さんが栄養の大切さに行きついたのは、あらゆる治療を行っても改善しない患者さんの存在でした。患者さんをどうすれば治せるか悩むなかで、「栄養療法(オーソモレキュラー医学)」に出合います。 姫野さんがご自身の専門である心療内科での治療に取り入れているのは、「分子整合栄養学医学」に基づく「栄養療法」。 「人間の体は食べ物からの栄養で成り立っている。体内分子(栄養)を正常な状態に整えれば細胞が活性・修復を行い、その結果、自然治癒力が高まる」というものです。 例えば、うつ病やパニック障害などの治療はストレスの回避や休息、投薬などが主流ですが、「栄養療法」では、脳に必要な栄養素・アミノ酸(たんぱく質)の補給指導などを行います(※人により必要な栄養素は異なります。正確に知るには血液検査が必要)。 この「脳への栄養補給」で脳の神経伝達機能が回復し、今まで改善しなかった患者さんも、心と体が前向きに変わっていったそう。 「食事を変えるだけで、認知機能が上がる方も多い。それほど、栄養は大切なんです」 栄養不足は縁遠いことではなく、毎日の食事だけでは栄養が足りていないシニアの方や、カロリーは取っていても食品の偏りで栄養が取れていない方など、意外に多いそうです。 姫野さんご自身もこの治療法に50代のときに出合い、食生活にいち早く取り入れたのだとか。 「自分のそれまでの不調が改善されて、この療法のすごさを身をもって感じました」