『映画 ギヴン 海へ』で今井文也&坂 泰斗が感じたこと「人間って変わるんだな」
「あくまで普通に生きている状況」がこの作品の色
――そんな『柊mix』を経て、今回はどのような演技プランで取り組まれたのでしょう? 坂 この作品全体を通して言えることではあるんですけど、意味のあるセリフに大きく意味を持たせないようにはしています。 アニメーションで我々ができることって声だけなので、声の強弱だったり、含みを持たせたりすることは可能なんです。でもこの作品の色として、それはしていなくて。みんな普通に生活している中で、意味のあるセリフを立たせようとしないじゃないですか。意味合いとしてめちゃめちゃ重要なセリフだけど、そこにどのように重きを持たせるのか、については逐一確認してやらせていただきました。 今井 SEとかBGMとかも入りますしね。 坂 それによって何気なく言っていても、より印象に残ったりもします。音響監督だったり監督たちが全ての音を含めてのプランで考えてくださっているので、確認する中で初めて繋がったりもするんですよね。一緒に作っているな、という感覚はすごく強かったですよね。 今井 台本を読み解いていく中で、彼らのキャラクター性がわかるなとか、こういう意味合いで言っているんだろうな、みたいなところは、やっぱりある程度汲み取って読むところもありました。でも、僕も坂さんと同じく、あまりわかりやすくやりすぎないということには気をつけていました。それこそ今回は一旦の締めくくりとは言っているものの、我々がその締めくくりとしてやる必要は本当に何もないと思うんです。どうしても劇場で顔がアップになったり、何か決めなきゃいけないところも、アニメとしてのキメというよりは、生きている人間として、ということを大事にしていました。だからわりと収録のときはスムーズでしたね。 坂 『柊mix』で我々は一種完成された感じはあるんですよね。 今井 役どころもそうですよね。 今回葛藤するのはどちらかというと真冬たちなので。 坂 揺らぎはなかったかもしれないですね。