ファンケル、キリンホールディングスの連結子会社へ。TOBが成立
キリンホールディングスは9月12日、株式公開買付(TOB)を行っていたファンケルの普通株式および新株予約権の買い付けが終了し、9月19日付でファンケルを連結子会社化すると発表した。ファンケルの株式は上場廃止となる。 キリンHDは6月17日から、ファンケルの普通株式および新株予約権のTOBを開始。買付期間は同9月11日までだった。TOBの結果、応募株券等の総数は5194万6863株で、買付予定数の下限である4111万7700株を上回ったため、応募株券などの全部を買い付ける。今後、完全子会社に向けたファンケル株の追加取得の手続きを進める。 TOBによるファンケル株式の取得価額は1454億5121万6400円(アドバイザリー費用等を含まない)。株式異動前のキリンHDにおけるファンケルの所有株式数は3954万400株(議決権所有割合は32.52%)で、異動後の所有株式数は9148万7263株(同75.24%)となる。 キリンHDはファンケルを子会社化することで、ファンケルが強みを持つCRM(顧客関係力)の活用によってDtoC事業を強固にする。また、キリンHDの飲料やサプリなど身体の内側からの健康アプローチを加えることで、消費者へ提供するソリューションを拡充する。 ファンケルの海外成長にも取り組む。キリンHDは2023年、アジア・パシフィック(アジア太平洋地域)で健康食品事業を展開するオーストラリアの上場企業Blackmores Limitedを買収して完全子会社化している。Blackmoresなどグループの知見を活用してファンケルの海外事業を強化する。なお、ファンケルの海外事業の売上構成比は全体の1割程度。 キリンHDとファンケルは2019年に資本業務提携を締結。ファンケルの創業者である池森賢二氏らから株式譲受により、キリンHDはファンケルの筆頭株主となっていた。