「次の目標へ頑張る」 鶴岡東、中止に沈痛な思い /山形
<センバツ高校野球> 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて第92回選抜高校野球大会の中止が11日に決まり、41年ぶり2度目の出場を決めていた鶴岡東の佐藤俊監督(48)は「日本高野連の決定を受けて、また次の目標に向けて選手とともに頑張りたい」と、険しい表情で言葉を絞り出した。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 鶴岡市内の同校で午後6時過ぎ、斎藤哲校長とともに記者会見した。佐藤監督は「選手もいろいろな感情を抱えていると思うが、選手の背中を押せる存在でありたい。今は自分の感情よりも選手に何と伝えるか考えている」と話した。発言する時を除き、固く口を結んでいた。 斎藤校長は「痛恨の極み。毎日、祈るような気持ちで状況をみていた」と苦痛に顔をゆがませた。「中止決定は野球部員の健康と安全を考えた高野連の判断だと思う。監督と一緒に、部員たちの心のケアに全力で努めたい」と述べた。 部員に対しては「夢は断たれてしまったが、人生はいろんなことがある。部員たちに非はない。一生懸命勝ち抜いてつかんだ出場だ。終わりではなく、そこからがスタート。野球は人間教育。私たちが沈んでしまったら部員たちに与えるショックも大きい。さらに研さんを積んで心身をケアし、しっかりと目標を持たせて頑張らせていきたい」と話した。 部員はこの日、午前中に練習をし、中止の発表があった夕方は自宅や下宿先で待機としていたという。【渡辺薫、長南里香】