「息子の学費は返済義務のある奨学金なので、申し訳なくて…」子ども2人の教育費に頭を抱える50歳女性。塾代や学費が“生活苦”を招く現実
文科省の責任は重い
所管官庁の文科省の責任は重いと言わざるをえない。 「文科省は国際文書に日本の奨学金を『student loan』(学生ローン)と記しているように、大学運営の資金を個人に頼っていることを自覚している。だが、事態は悪化する可能性が高い。今後さらに少子化が進めば教育への関心は薄れ、増加する高齢者への社会保障が優先される。学費の高騰は避けられないでしょう」 大学までの教育が無償化されなければ、生活苦は続くだろう。 ▼生活苦の正体 大学と親に依存するシステムを看過してきた文科行政の怠慢 【教育社会学者 中澤 渉氏】 大阪大学大学院人間科学研究科教授などを経て立教大学社会学部教授。著書に『なぜ日本の公教育費は少ないのか』(勁草書房)など 取材・文/谷口伸仁 写真/PIXTA 図版/ウエイド ※11月19日発売の週刊SPA!特集「一億総生活苦の正体」より ―[一億総生活苦の正体]―
日刊SPA!