【NBA】キャリア通算3ポイントシュート成功率43.6%、シャープシューターのジョー・ハリスが現役引退を発表
デュラントが称賛「ジョーが活躍するとチームが動く」
キャバリアーズ、ネッツ、ピストンズで10年のキャリアを築いたシャープシューター、ジョー・ハリスが現役引退を発表した。 ハリスは2014年のNBAドラフト2巡目33位でキャバリアーズに指名されたが、レブロン・ジェームズをエースとして球団史上最強だったチームはベテラン重用で、ハリスの出番はほとんどないままに2年目のシーズンにマジックへと放出され、その日のうちに解雇された。ここでキャリアが終わる可能性もあっただけに、ネッツでリーグ最高のシューターへと成長できたのはツイていたのかもしれない。 だが、ツイていたのはネッツのほうだ。前シーズンを21勝61敗で終えていたにもかかわらず、ドラフト指名権を手放しており補強のままならない『どん底』にあったネッツは、契約のなかったハリスに賭けるしかなかった。 2年200万ドル(約3億円)の契約でNBAに残ったハリスは、ケニー・アトキンソンの下で大きな成長を見せる。ただ良いパスを待つだけでなくオフボールの動きを研ぎ澄ませて、ボールのないところで自らワイドオープンを作り出しては、キャッチ&シュートを高確率で沈めていく。2019年のNBAオールスターでは3ポイントシュートコンテストに出場。この時はまだネッツ以外では知られていなかったが、ステフィン・カリーを破って優勝した。 シューターとしての評価を高めるとともに年俸も上がっていった。2018年には2年1600万ドル(約24億円)、2020年には4年7500万ドル(110億円)の契約をネッツと結ぶ。それも高すぎたわけではない。ケビン・デュラントとカイリー・アービング、ジェームズ・ハーデンの『ビッグ3』を擁したネッツで、彼らに続く4番目のオプションがハリスだった。『ビッグ3』がどうボールをシェアするかが課題のネッツで、ボールタッチの機会が少なくても結果を出せるハリスは『最高の4番手』であり、当時のデュラントは「ジョーが活躍するとチームが動く」とその働きを称えている。 しかし、2021年11月に負った左足首のケガが、彼のキャリアを暗転させる。最初はただの捻挫と診断されたが、実際は靭帯修復手術が必要な大ケガで2021-22シーズンを棒に振り、翌シーズンに復帰するもシュートチャンスを作り出すオフボールの動きのキレは戻らなかった。『ビッグ3』が解体されたネッツでハリスもピストンズにトレードされたが、再建中のピストンズで32歳の彼は必要とされず、シーズン途中に解雇されていた。 かくして彼は現役引退を決断する。10年のキャリアはアップダウンの波が激しいものではあったが、それでも通算3ポイントシュート成功率は43.6%と驚異的な数字だ。キャリアを通じて2354本の3ポイントシュートを放ち、そのうち1026をリングに入れたハリスは、静かに舞台を降りる。