「焼いて作る天ぷら粉」の人気に拍車 計画比5倍の売上げで推移
昭和産業が販売する「もう揚げない!!焼き天ぷらの素」の好調な売れ行きに拍車がかかっている。同品は天ぷら調理の悩み解決を目的に、“揚げないこと”を最大の特徴とした家庭用プレミックス。24年度の4~7月の販売実績は、22年9月に立てた当初の販売計画比で5倍以上となり、着々と売上げを伸ばしている。この勢いが続けば、天ぷら粉パイオニアの同社が提案する“焼き天ぷら”がプレミックスの新ジャンルを確立する可能性もありそうだ。
昭和産業「もう揚げない!!焼き天ぷらの素」、プレミックスの新ジャンルとなるか
同品はフライパンに大さじ3杯程度の油で天ぷらが作れる画期的な調理法を提案することで、天ぷらのエントリー商品として市場に投入。近年の食用油の高騰を背景に、経済性も注目された。発売直後だけでなく、24年になっても多くのメディアに紹介されたことに加えて、利用者が同品および焼き天ぷらについて評価する投稿をSNSで発信するなど、話題となった。 22年9月の発売以降、初年度8ヵ月で計画比1.8倍の売上げを確保。23年度(23年4月~24年3月)の販売実績は同2.6倍と大幅増で着地したのに続き、直近でも同5倍増と大幅伸長で推移している。 焼いて作る機能面だけでなく、一般的な天ぷらと比べてもザクザクとした食感のおいしさに評価が高い。天ぷら調理を難しいと感じている若年層のトライアルユーザーを獲得するとともに、家庭で天ぷら調理をしなくなっていたシニア層などの休眠ユーザーの掘り起こしにもつながっているようだ。 “焼き天ぷら”という特徴から、既存の天ぷら粉とのカニバリが少なく、むしろ「天ぷら粉カテゴリー全体の売上げの伸びに寄与している」(同社)という。そのため、小売業など流通からの評価も高く、今秋冬も導入店舗が広がっており、さらなる売上げ拡大が期待できそうだ。 昭和産業はさらなる販売強化へ向け、今後もユーザー層の拡大に力を注ぐ。“焼き”で獲得したトライアルユーザーを本来の揚げる天ぷらへステップアップしてもらうため、簡便性の高い「おいしく揚がる魔法の天ぷら粉」や、本格的な天ぷらが楽しめる「天ぷら粉黄金」といった製品への誘引にも取り組み、天ぷら粉ユーザーの拡大を目指す。
日本食糧新聞社