俳優・山口祥行【2】腕の手術を受けた翌日、前日に脚を骨折したばかりの小沢仁志さんとバトルシーンを撮影!
中野英雄さん、的場浩司さん、本宮泰風さんと共に“ネオVシネマ四天王”と称され、絶大な人気を誇っている山口祥行さん。本宮泰風さんとW主演を務め、2013年に始まったオリジナルビデオ「日本統一」シリーズを始め、映画「覇王」シリーズ(小沢和義監督)、映画「大激突」シリーズ(港雄二監督)など主演作品も多い。ジャパンアクションクラブ出身ならではのダイナミックなアクションシーンも話題に。
■本当は武闘派ではなく一番の知性派?
現在大人気の「日本統一」シリーズは2013年に始まり、現在64話までDVDリリース中。これは不良少年・氷室蓮司(本宮泰風)と田村悠人(山口祥行)が日本から抗争をなくすため、日本極道会の頂点を目指す様を描く大人気任侠シリーズ。女性ファンも多く「任侠女子」と称されている。 ――「日本統一」シリーズが大人気になっていますが、予想されていました? 「いや、10本ぐらいで終わるんじゃないかと思っていましたね。初め5本撮りでやるとか言っていたのが3本撮りになったりしたから、やっぱり10本もいかないんじゃねえかなって。でも、まだ配信がない時代にもビデオの人気コンテンツの一つだったから、多少はシリーズとしていけるのかなとは思いましたよね、その時は」 ――始まった頃は、レンタルビデオ屋さんがたくさんあったので、小沢(仁志)さんも自らかなり営業されたと聞きました。今はもうないですけど「TSUTAYA中野新橋店」の品揃いがすごくてよく行っていました 「そうそう、あそこは小沢さんの縄張りですからかなりあったと思います。それで、配信でも人気が出てどんどん広がっていったという感じですね」 ――配信だと本編は現在62話まであり、メインの方々の外伝シリーズもありますが、撮影はどんな感じですか 「スタッフもみんなベテランだし、キャストもみんなもう慣れたもんですよ。もともと予算がないので、キャストもスタッフもどれだけ速く撮って成立させるかというのに長けてきちゃって(笑)。きっと普通のドラマとか映画とかを撮っている人たちはビックリすると思いますよ。低予算の作品もいろいろありますけど、いいのか悪いのか、その人たちからしたら異常なくらい撮影が速いですから」 ――皆さんお互い呼吸も殴り合いなどのアクションシーンのタイミングもわかるのでしょうね 「そうですね。もうやりたくないですけどね、殴り合いとかは。きついですよ(笑)」 ――でも、「日本統一」のメンバーの中では一番の武闘派になるわけじゃないですか 「そうですね。そういう風に作られちゃっていますね。本当は一番の知性派なんですけどね(笑)。殴り合いよりガンアクションのほうがやりたいですよ」 ――クールな氷室蓮司と熱い田村悠人、本宮泰風さんととてもいいコンビですね 「本当は俺より泰風の方が武闘派ですけどね。高校時代からの知り合いなんですよ。今は家族よりも一緒にいる時間が長い。1年の大半一緒にいますからね。俺が死んだら喪主は泰風にやってもらうことにしているんですよ。もう全部任せます」 ――絶対的な関係でいいですね。共演されているシリーズ作品も多いですが、混同したりすることは? 「あまりしないですね。『日本統一』に限ってはセリフを全部は覚えていかないし。(セリフの)量が多いのに台本がいつもギリギリに来るから、内容だけザッと頭に入れておいてその場で覚える感じです」 ――すごいですね。それはやっぱり信頼関係がないとできないですよね 「あとは慣れですかね。時間のないところでやっているから、みんなそれに慣れちゃったんですよ。『日本統一』は1日に25ページぐらい、ひどい時は40ページぐらい撮るから、覚えるのにも限りがありますしね」 ――山口さんは、「日本統一」などのオリジナルビデオシリーズ以外にも大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK)、「駐在刑事」シリーズ(テレビ東京系)、「罪の声」(土井裕泰監督)などテレビや映画のお仕事もされているので大変ですね 「他の作品はちゃんとセリフを覚えていますよ(笑)。前もって台本がもらえるし、スケジュールもちゃんと余裕を持ってあるから準備ができるんですよ」 ――「日本統一」は外伝シリーズもあって、山口さん演じる田村悠人も2本ありますね。『レオン』(リュック・ベッソン監督)みたいでカッコ良かったです 「ありがとうございます。泰風が考えてプロデュースもしているからですよ。でも、泰風がプロデュースもやるようになったら、若い連中(共演俳優陣)の俺に対する態度と泰風に対する態度が全然違う。俺は完全になめられちゃって、タメみたいな感じでいじってくるんですよ 。なめられすぎですよね(笑)」