「身長180センチの30代女性を代理母に選び」55歳で突然、父になった山口敏太郎「近所にどう伝えるかも問題で」
90年代からオカルト作家・研究家として活躍してきた山口敏太郎さん(58)。長きにわたる不妊治療を断念し、2021年に代理母出産を選択する決断をしました。費用面の問題から社会情勢の不安定なウクライナで代理母を探し、運命を託した当時の思いを振り返っていただきました。(全3回中の2回) 【写真】「孫とおじいちゃんのよう…」天使みたいな息子・太郎くんにデレデレの山口敏太郎さん ほか(全14枚)
■代理母は身長180センチの女性「人助けだからやっている」 ── ウクライナでは、どんなやりとりがあったのですか? 山口さん:まず一昨年の2月に、ぼくひとりでウクライナへ出向きました。運よくコロナ禍が落ち着いていた時期で、向こうでは電話が通じないため(自身が経営する会社の)社員には「四国の山奥に行くから電話ができなくなるよ」と伝えて出かけました。
エージェントでは、何百人もいるリストの中から代理母と卵子を提供してくれる女性の選定をしました。資料には顔写真、学歴、血液型、経歴などが載っていて、ぼくはA型を希望していたのと、身長が高すぎない人がいいと思っていたので、卵子提供者はそういった条件を考えて選びました。 後日、代理母になってくれる女性と対面して食事をしました。30代で180センチもある、しっかりした体格の女性でした。話を聞くとシングルマザーで「代理母をやると2、3年は食べていけるし、人助けでもあるからやっています。代理母はあなたたちで3人目なんですよ」と教えてくれました。自分の子を入れると4人産んだから、もう引退するんです、とも。この人だったら大丈夫という安心感がありました。
── 卵子提供者と代理母は別の女性なんですね。 山口さん:今は、それが確固たるルールみたいです。産まれた子に『自分の子』という感情が湧いてしまうのを避け、あくまでも代理母、卵子提供者という認識を徹底するためです。卵子を提供してくれた女性とは会っていません。 ── みなさん、お仕事として割りきっていらっしゃるんでしょうか。 山口さん:というより、代理母をやっている人には、もちろん高額なインセンティブもありますが、ベースには「他者のため」というキリスト教的な奉仕の精神があります。そういった前提も知らずに批判したり慰めたりするのは、ぼくは無責任だと思います。