バーニング・高鹿佑也が12・28両国でのKO-Dタッグ王座初戴冠を期す!「遠藤さんとベルトを獲って、もっと高いところで勝負してみたい」
「遠藤さんとか秋山さんから教わったもの、そういうものが根っこにあって。それを信じて戦うしかない」
DDTプロレスの今年最後のビッグマッチ「Ultimate Party 2024」(12月28日、東京・両国国技館)で、バーニングに所属する高鹿佑也が遠藤哲哉とのコンビで、サウナカミーナのMAO、To-y組とのKO-Dタッグ王座決定戦に挑む。前哨戦では劣勢に回った高鹿だが、同王座初挑戦に向けて何を思うのか?決戦直前の高鹿の胸の内を聞いた。 【動画】To-yから1勝をもぎ取った高鹿、いざタッグ王座獲りへ! ――To-y選手とはDDT入門が近いんですよね? 「ハイ。To-yさんが半年くらい前に入って、デビューがTo-yさんが2020年12月、僕が2021年4月です。年は僕が2つ上ですが、お互いに“さん”づけで敬称で呼び合ってます」 ――キャリアが近いことで、デビュー当初、To-y選手と何かと比較されることも多かった。最初の頃、To-y選手はどういう存在でしたか? 「To-yさんは練習生期間一緒だったし、デビューも近いし…。2020年夏頃、コロナで道場が使えない期間が4ヵ月くらいあったんです。実家に帰って走ったりして。練習生の時、そういう期間を過ごしてきた仲で、一番近い先輩なので負けたくないと思ってました」 ――お互いに切磋琢磨してやってきて、(2022年1月の)自力初勝利の相手がTo-y選手。力が拮抗していたなか、高鹿選手が一歩上にいったような時期もあったと思うんですが、自覚はありましたか? 「初勝利挙げて、レスラーになったなという実感があって。もっと上に行きたいと思いました。ただ、To-yさんより上にいってるとかは思ってないですね」 ――昨年の「DGC(D GENERATIONS CUP)」では、決勝までいきましたが後輩の正田(壮史)選手に負けてしまった。悔しかったですか? 「正田がデビューした頃から、“正田がヤバいぞ”って、お客さんも感じていて。オーラ、雰囲気もただ者ではなかった。ゴールデンルーキーで。負けるもんかと思いましたけど、負けてしまった。優勝したらハリウッド大会に行けたんですが、僕は海外に行ったことなかったんで、海外でプロレスしてみたかったんで、勝てなくて悔しかったです」 ――その後、昨年11月には左腕のケガ(左三頭筋断裂及び左ヒジ内側じん帯剥離骨折)で約4ヵ月、長期欠場しました。その直後には岡田(佑介)選手とのコンビでアジアタッグ(当時の王者は坂口征夫&岡谷英樹)に挑戦する予定でしたよね? 「ハイ。ケガしたのが去年の11月26日、後楽園でのダークマッチでした。12月9日、大阪・アゼリア大正で挑戦予定でした。ケガしたときは、2日後にイベント試合があったので、それを休んで、タイトルに挑戦しようと思ったんですが、人生で見たことないくらい、ヒジが腫れてて無理だと…。病院に行ったら手術だと言われました」 ――秋山(準)選手、岡田選手とKO-D6人タッグに挑んだことはありましたが、タッグ王座への挑戦は初となるはずでした。タイトル戦目前にケガをして、メンタルは落ちましたか? 「気合も入ってたし、歴史あるベルトへの挑戦。岡谷さんは寮で一緒だったんで思い入れある相手で、練習生時代一緒に過ごした仲なんで…。自分の技で勝手にケガして、ふがいなくて。何やってんだろう?って感じでした」 ――復帰して、なかなか浮上できない期間がありましたね? 「復帰してすぐ、第2回の『DGC』があって、デビュー戦の相手を務めた瑠希也に負けて。そこから後輩とか同世代の選手がベルトを獲ったり、挑戦したりで。ながめてることしかできなかったんで。それが悔しかったし、戻ってきたことで自分に突き付けられた現実でした。復帰して改めて悔しさを体感しました」 ――一方でTo-y選手はKO-DタッグやUNIVERSAL王座に挑戦したり、アジアタッグも持っていましたし、それを見ててもどかしかったですか? 「もどかしかったですね。でも、ケガした頃から肉体改造に取り組んだりしてやってきました。だから“いつか見てろよ”って思いはあったし、それがまた自分を動かす糧になりました」 ――結果が出せない時期が続きましたが、今回KO-Dタッグ挑戦のチャンスが来て…。ところが勝俣(瞬馬)選手の負傷欠場による王座返上で、11・23後楽園での挑戦が消滅して、やり切れない思いがありましたか? 「ケガはプロレスにつきものだし…。ただ、やってやるぞって状態だったんで、そこのもどかしさがあって。11・23後楽園で王座決定戦が組まれるのかと思いきや組まれなくて。何で?って、“やらしてくれよ!”って、そういう思いがありました」 ――その大会では、6人タッグマッチ(遠藤&飯野雄貴&高鹿vs上野勇希&MAO&To-y)が組まれましたが、納得がいかないままで臨んだ試合でしたか? 「仕方ないと思いつつ、もやっとしてました。でも試合はやってやるぞって気持ちで臨んだんですけど、To-yさんに負けてしまって。余計にフラストレーションが溜まっていってしまいました」 ――その試合後のマイクの応酬を経て、両国での王座決定戦が決まりました。前哨戦では結果が伴わなかった。負けが込んで、どう思ってますか? 「めちゃくちゃふがいないなって。自分が人生で一番というくらい、ふがいないと思ってて。自分が若手のなかで一番練習してるぞって気持ちもあったし、To-yさんにも負けてないというのもあったし。フタを開けてみたら負け続けて。自分が信じられないというか、俺はどうしたら勝てるんだろう?とか、何をしたらいいんだろう?とか、思ったんですけど。(12月15日の)大阪大会が終わった後に遠藤さんと話して、“おまえの信じるものは何だ?”と言われて。遠藤さんとか秋山さんから教わったもの、そういうものが根っこにあって。それを信じて戦うしかないし、それが間違ってなかったと証明するのは自分の戦いしかない。いよいよ本番、まだ正解は出てないし、まだ悩みはあるけど、悩みの先の答えを出すのは、自分で勝って結果を出すしかないなと大阪の後は感じています」 ――12・11新宿、12・15大阪でのTo-y選手とのシングル2連戦はバチバチの試合になりました。こういう試合で気持ちが高揚する部分はありますか? 「ああいう風に殴り合ったり、根性張り合う試合は好きではあるんです。殴られると、殴り返したいし、血が上ってくる戦いは高揚感はあります」 ――DDTにはいろんなスタイルの試合ありますが、ああいうバチバチの試合は嫌いではないんですね? 「好きです。ほかのDDTの試合がどうとかではなくて、岡谷さんと試合した時もああいう殴り合いになりましたし…。どっちかというと関節取ったり、グラウンドでやったりするのが好きなんです」 ――12・15大阪では自身初のシングルでのメインイベントでした。あの2人でメインということで、会社の期待は感じ取りましたか? 「会社の期待というか、今回のタイトルマッチでファンの方が注目してくれてるのは僕とTo-yさんの戦い。会社も“おまえらでやってみろ”ということだったんだと思いますけど、チャンスが来たというか、やってやるぞって感じでした」 ――To-y選手にシングル2連敗はショックでしたか? 「新宿で負けて、あれだけ遠藤さんにゲキを飛ばされて。でもまだ勝てなくて。新宿が終わった後、悩んでても、答えが出ないまま、やるしかないと思って、大阪でも負けて。自分の信じるもの、バーニングで積み上げたものを信じて。まだ答えが見つかってるかと言うと、ハイというわけじゃないんですけど、答えをみつけるために、自分の信じてるものを芯に持ってあきらめずに前を向いて戦うしかないです」 ――残念ながら、同じバーニングの岡田選手が引退しました。余計に「頑張らなきゃ!」という思いはありますか? 「岡田さんにはデビュー戦の相手も務めてもらったし…。岡田さんの分までというとおこがしいんですけど、“任せたよ”と言ってくれたんで。僕だけじゃなく、バーニングのみんなで頑張んなきゃと感じてると思います」 ――ところで、後からユニットに加入した飯野選手は、バーニングでどういう存在ですか? 「秋山さん、岡田さんがいた頃はカチッとしたユニットというか、厳しめというか、ほかのユニットとは毛色の違うユニットだったと思うんです。でも秋山さん、岡田さんがいなくなって、飯野さんが入ってきて。『アイ・アム・バーニング、イヤー!』とかのパフォーマンスが異質に見えました。ただお客さんが“バーニングいいね”って言ってくださる。ユニットの士気とか、モチベーションを上げてくれるところがあるので、ムードメーカーというか、お祭り男的な存在です」 ――遠藤選手との2人のタッグはどうですか? 「遠藤さんと2人のタッグはちょいちょいあったんですけど、タイトル挑戦とかはなくて。MAOさんとTo-yさんの絆とかは分からないけど、遠藤さんは僕のレスラーとしての意識の部分を変えてくれた人。遠藤さんは“師弟関係じゃない”と言うんですけど、僕は師匠というか、この人がいなかったら…と思ってます。体づくりとか、なあなあにしてた部分を、後ろ姿で教えてきてくれた人だし、遠藤さんがいなければ今の高鹿佑也はいないと思うんで。そういう人だからこそ、遠藤さんとベルト獲りたいし、ベルト獲ったうえで、もっと高いところで勝負してみたい。遠藤さんに報いるのがすべてではないんですけど、秋山さんもそうだけど、教えてもらったことを両国で出し切れれば勝てると思ってるんで。もちろんMAOさん、To-yさんもサウナカミーナで培った絆がある。一緒に過ごしてきた時間があると思うんで、絆も強力だと思う。でも、そこの部分で勝負できれば、勝てると思うんで」 ――あくまでもタッグなんですが、To-y選手を強く意識することになるんでしょうか? 「どうしてもTo-yさんに負けが込んでるんで、意識せずには無理かと思うんで。日常生活を送ってても、To-yさんに勝ちたい思いはあるんで、意識せざるを得ないと思います。でも遠藤さんと力を合わせて、僕がしっかりすれば勝てると思うんで。僕次第と思うんで、To-yさんを意識しつつ、タッグなんで遠藤さんと力合わせて勝ちたいです」 ――KO-Dタッグ王座決定戦は両国のセミファイナルでのタイトル戦になりました。そこの部分に関しては? 「想像つかないですね。実感がないです。今までダークマッチとか第1試合だったんで。お客さんのボルテージも上がって来てると思うし、セミであろうがなかろうが、両国でタイトルマッチというのは全員ができる体験じゃないし…。そういう意味では楽しみでもあるし、プレッシャーもあるし、責任もあるけど、それすら楽しみ。ワクワク感がありますし、不安はないです」 ――ベルトを獲れたら、来年こういう風にやっていきたいというビジョンはありますか? 「先のことを考えてる余裕はなくて…。今はただ集中して、両国でベルトを獲りたいです」 <写真提供:DDTプロレス>
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